ラポールでギスギスしたコミュニケーションを円滑にする:甚さんの「コミュニケプレゼン」大特訓(2)(2/4 ページ)
いきなり説得から入らずに、まずは気持ちや状況の共有(ラポール)から。それが、コミュニケーションをギスギスさせないポイントだ。
名作? 迷作?「101回目の東京バケーション」
そういうわけでオイラが台本書いといたぜぃ! しかも、ラブコメだぁ。
僕とエリカちゃんが恋人同士の設定ですと〜! なんてすばらしい話なんだ!
ちょっと待って。何この内容! タイトルが古くさい、というかどっかで聞いたことある感じでイラッとするわ。
「101回目の東京バケーション」〜ハートブレイク編〜(甚さん作)
――根川公園の花時計の前で良の到着を待つエリカ。
――バチコーンッ! エリカ、良に平手打ちする。その場に倒れ込む良。
〜The End〜
これはひどい。
「良たん」とか言わせないでください。気持ち悪っ。
脚本の中の良君の心の中では、一刻も早くエリカちゃんから許しを請い、ディズニーランドに向かいたいと思っていたのでしょう。日常におけるあなたの謝罪のせりふは、謝罪することよりも「一刻も早く、その場を解消してしまいたい気持ち」でいっぱいではありませんか?
しかし、それでは相手に残るものはあなたへの不満だけです。それが何度となく度重なれば、その不満だけが募っていき、やがては相手に怒鳴られてしまいます。どうすればよいでしょうか?
「サクセス編」もあるんだぜぃ。
まじすかっ!
またやるんですか……。
それではラポールのスキルを、良君に駆使してもらいましょう。ラポールの部分には黄色いマーカーを付けました。
「101回目の東京バケーション」〜サクセス編〜(甚さん作)
――根川公園の花時計の前で良の到着を待つエリカ。
〜The End〜
えへへ……。エリたんと夢の王国へ……。
あー気持ち悪っ。
エリカちゃんよ、そう言う割にはノリノリだったが。
寸劇の会話中の黄色いマーカー部に注目してください。そして、前者と後者の例では、エリカちゃんの感情に大きな「差」が生まれました。後者の良君はラポール、つまり、「説得から入る」ことではなく、「共有から入る」ことを意識していたのです。
良君の「人命救助をした」という言動は結局ウソかもしれませんが、うまくその場を和ますことができました。
ラポール……。簡単そうですね。それでは、昨日のあなたの行動で、各種シーンを思い出してください。どのシーンで、このラポールを応用できたでしょうか? なかなか見つからないのではないでしょうか?
簡単そうで難しい、それがラポールなのです。
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