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マテリアライズ、3Dプリンタ・ファッションショーで顧客作品を紹介3Dプリンタの最新事例

マテリアライズのユーザーカンファレンス内で、ユニークなイベント。ファッションショー形式で、デザイナ−の3Dプリンタ作品を次々と紹介した。ファッション業界の事例だけではなく、豊田中央研究所によるシートの試作品も。

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 3Dプリンタによる技術サービスやソフトウェアなどを展開するマテリアライズ(ベルギー)は、2013年9月4日都内でユーザーカンファレンスを開催。その中で、顧客や著名デザイナーによる3Dプリンタ作品を紹介した。

 今回は、ファッションショー形式で、3Dプリンタ製の作品を紹介するというユニークな取り組みも実施。同社の3DプリントWebサービス「i.materialise」ユーザーが対象のアクセサリーコンテストの受賞作や、同社顧客でもあるデザイナーのメリンダ・ルーイ氏とニコロ・カサス氏による服飾品を着飾ったモデルたちが次々と登場した。


3Dプリンタ作品を着飾ったモデル

 会場内にはオランダのデザイナー イリス・ヴァン・ヘルペン氏による3Dプリンタ製のドレス「Escapism Dress」も展示。こちらは、パリのオートクチュールで発表されたもので、建築家のダニエル・ウィドリグ氏とマテリアライズで製作したという。「Escapism」は、現実逃避癖、空想・白日夢といった意味。


Escapism Dress

 このように、アーティストやファッションデザイナーによる3Dプリンティングの事例が、最近よく見られるようになってきた。従来の方法では作れなかった複雑で自由な形状が、しかも短期間で製作できるのが彼らにとって魅力であるようだ。

 ファッション業界で現状よく見られるのは、このようなファッションショーやデザイナー個展で展示される作品の例だ。素材や造形方法の進化によるところだが、一般の店舗で売るような服飾品においても、3Dプリンタで作られた製品が見られる日はそう遠くないかもしれない。

>>関連:レディ・ガガの衣装も手掛けたユイマナカザト氏の3Dプリンタ活用

新しいテクノロジーに対して積極的に!

 ファッション関係以外の事例としては、豊田中央研究所が自動車のシート試作品を会場に展示。トポロジー最適化で導き出した複雑な形状をマテリアライズが造形して作り上げた。シートの軽量化をかなえながら剛性も損なわない構造とし、かつ座ったときの不快感を軽減すること(通気性を良くする)を目指した。



豊田中央研究所の試作品(写真は同社提供)

 しかし実際、このような製造業分野での画期的な事例は日本よりは欧米の方が多いのが現実のようだ。マテリアライズのCEO ウィルフリード・ヴァンクラン氏は、「欧米と比べてしまうと、日本は、3Dプリンタなどの新しい技術の導入が少し遅い。そのせいで日本の大手メーカーが市場での競争に負けてしまった例もある」と指摘。「まだ手遅れではない。これから3Dプリンタ関連のアプリケーションがどんどん増えてくるので、それをもっと積極的に導入・活用していけばよいと思う」。


マテリアライズのCEO ウィルフリード・ヴァンクラン氏

 一方で、少々過熱気味である3Dプリンタブームについては、期待と懸念が半々であるという。

 「1〜2年のタイムスパンで考えると、理想と現実のギャップにがっかりする人もいるだろう。ただし、5〜10年後、過去を振り返って、驚くほどの進化が起こったことに気づくのだろう。技術の進化により、以前までは考えられなかった生活が実現されていく。3Dプリンタの将来も同様で、生活に大きな影響をもたらしていくのではないか。私たちの何もかもを変えてしまう技術というわけではなく、あくまで一部を変革するものだが、その影響度は大きい」(ヴァンクラン氏)。

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