検索
特集

元ソニー会長の出井氏も期待、「自分だけのクルマ」を実現するEVスポーツカー電気自動車(2/2 ページ)

電気自動車(EV)スポーツカー「トミーカイラZZ(ズィーズィー)」を開発したグリーンロードモータースが、「あなただけのクルマをつくれる時代を語ろう」と題したトークイベントを開催。元ソニー会長の出井伸之氏と、タレントのパンツェッタ・ジローラモ氏をゲストとして招き、クルマの未来を語った。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

ジローラモ氏「“自分だけのクルマ”にワクワクする」

 トークイベントのテーマである「あなただけのクルマ」に思い入れを持っているのがジローラモ氏である。「子どもの頃からクルマが大好きで、免許を取るのが夢だった。クルマを作りたいとも思っていた」(同氏)。だから、「自分だけのクルマができるかも……」というのは、考えただけでワクワクするという。


パンツェッタ・ジローラモ氏
「イタリアのデザイナーにクルマのラッピングを特注している」と話すパンツェッタ・ジローラモ氏

 子どもの頃からクルマに対する憧れや強い思いを持っていたことや、それが成長とともに変化していくということに、小間氏も同意。「子どものころは、クルマに乗って家族で海に出掛けるといった楽しい思い出がたくさんある。自分自身が免許を取る年齢になれば、彼女とドライブに行きたいと思い、就職したらお金をためてすごい車を買いたいと思った。生活の変化とクルマというものがリンクしていた」と振り返る。

 また、ジローラモ氏にとっては、クルマもファッションの一部だという。「ロケの現場にどんな車クルマで登場するか?」で自分のイメージも決まる。クルマは名刺であり、ステータスを示すもの。今は、イタリアのデザイナーにクルマのラッピングを依頼しているという。

 出井氏も「クルマを大量生産で製造する時代は過ぎ、これからは今まで以上にファッションの側面を持つ。自分の生活スタイルや趣味を反映させた、自由度が高く魅力あるものが、面白いと受け入れられるようになるのでは?」と今後のトレンドを予測している。また、「今、クルマ離れが進んでいるのは、コンセプトが古いからだ」という。スマートフォンの登場でPCが主流の時代とはインターネットの使い方が変わってきたように、EVの登場でクルマの在り方も変化するというのだ。

 今のクルマには、カーナビが搭載されているものが多いが、今後GPSの精度が向上し、クルマにパーソナルな情報を蓄積できるようになれば、クルマと人との関わり方も変わってくるだろう。例えば、平日の決まった時間にクルマに乗れば、「会社に行くんだな」とクルマが判断してくれる。日曜日にゴルフバックを持ってくれば「今日はゴルフへ行く」と理解する。そのように、クルマがオーナーの行動を理解し、オーナーの身体の一部のようになることもあるかもしれない。出井氏は、そんなSFチックなことを笑いながら語った。

 小間氏は、2人の話を受けて、スポーツカーの魅力を高める「デザイン」と「音」を例にとって、EVの個人対応化について答えた。

 EVの特徴は、ガソリンエンジン車に比べて走行時の音が静かなことだ。しかし、スポーツカーはエンジン音が魅力のポイントになっている。そこで、トミーカイラZZでは、井出氏が紹介したACCESSとコラボレーションすることにより、走行中に室内で聞こえる走行音を制作/再生するのに用いるシステムを利用できる。2013年12月には、ユーザーに発表する予定だという。ドライバーがEVの走行音を自分好みにカスタマイズできるわけだ。

 外観(エクステリア)デザインについては、アルミニウム製のEVプラットフォームに、軽量のFRP(繊維強化樹脂)で製作したものを載せるだけなので、従来のクルマよりもはるかに自由度が高い。コストが掛かるので、今すぐ“世界に1つだけの自分のクルマ”を実現できるわけではないが、将来的には可能になるかもしれない。今は国内外のデザイナーとコラボレーションして、“面白いクルマ”を作っているという。

 そして一番重要な走行性能については、トミーカイラZZが走行している映像を流しながら解説。時速100kmに達するまでの時間はわずか3.9秒と、加速感が極めて良好だという。インテリアは、飛行機のコックピットのように無駄なものを省いた、シンプルなカッコよさを追求し、ドライバーが走ることに集中してハンドリングを楽しめるように配慮したそうだ。

動画が取得できませんでした
「トミーカイラZZ」の走行テスト映像(クリックすると再生) 出典:グリーンロードモータース

 最後に出井氏は、「男性は、時計やかばん、スーツなどの持ち物にこだわって、自分の個性を表現したがる生き物。クルマもそういった持ち物の1つだ」という。大量生産のクルマでは、現代的な“個性の追及”には応えきれないということか。

 「これからは小さなメーカーが作っても、いいものはいいものと認められる時代になる。日本から世界的なブランドが誕生しないのは、つまらない。ベンチャーから新たな競争力が生まれてほしい」と、GLMにエールを送った。

 トークイベント当日は、夏休み期間中ということもあって子どもが参加していた。小間氏は集まった子どもたちに向けて、「何かやりたいことや夢があるときに、『無理じゃないか』とか『できない』とか、自分で限界をカンタンに決めない方がいい。ベンチャーでクルマを作りたいと言ったときにも、無理だという人は大勢いた。けれど、行動力と努力を掛け合わせれば、人は無限に成長できる。GLMが作るクルマが、夢を実現する1つの形となればうれしい」と語り掛けた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る