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EV用急速充電の規格争い、チャデモに負けはない和田憲一郎の電動化新時代!(7)(3/4 ページ)

2012年の春から秋にかけて、「チャデモvs.コンボ」という電気自動車(EV)用急速充電の規格争いに関する報道が相次いだ。その際の論調は、チャデモ方式が、日本の携帯電話と同様にガラパゴス化するというものが大勢を占めていた。あれから1年以上が経過したが、チャデモとコンボ、両方式の現状はどうなっているのだろうか。

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普通充電器はどこまで普及しているのか

 EV用急速充電器については、「チャデモvs.コンボ」という報道によって、良かれ悪しかれ話題になった。その一方で、通常の100V/200V電源を用いる普通充電器も、住宅のみならず、官公庁や商業施設などにも普及しつつある。この普通充電器の業界団体である電動車両用電力供給システム協議会(EVPOSSA)の代表理事を務める澁江伸之氏に、普及状況などについて聞いた。

和田氏 国内における現在の普通充電器の設置台数と、今後の普及見込みを教えてほしい。

澁江氏 EVPOSSA会員(幹事正会員9社、一般正会員21社)の出荷台数は約5000台強(2013年3月末時点)である。将来予測については、現時点では行っていない。

和田氏 現在、国内で設置されている普通充電器は国内製のみだが、今後普及が進むに連れて海外からの製品が入ってくると思うか。

澁江氏 その可能性はある。国内メーカーが、充電回路などの内部装置を海外で製造し、国内で筐体などとともに組み立て/検査を行って出荷する方法もある。もしくは、純粋に海外メーカーから輸入することも考えられる。

 ただし、海外メーカー製品は、設置を担当する工事店での扱いなどを考えると、参入ハードルが高いのではないだろうか。なお、海外向けの普通充電器を国内で利用できるようにするには、ブレーカーなど一部の仕様を見直す必要がある。充電機本体の設置方法が異なることも問題になるだろう。

和田氏 先日、自動車メーカー4社による充電インフラ整備に関する共同発表があったが、EVPOSSAはこれとどのように関係しているのか。今後連携の予定はあるか。

澁江氏 現時点ではEVPOSSAとして具体的なプランは持ち合わせていない。ただし、普通充電器とEVやPHEVの充電互換性を確認するため、クルマを一堂に並べた確認会などの開催を考えている。

和田氏 EVやPHEVを住宅の電力源として活用するV2H(Vehicle to Home)の国内規格標準化もEVPOSSAが担当していると聞いている。

澁江氏 2013年5月にEVPOSSAで規格を策定した。今後は、内容の見直しを進めながら規格を公開したいと考えている。その後、規格に基づいたV2H機器が市場投入されることを期待している。

左からEVPOSSA代表理事の澁江伸之氏、事務局長の石本隆昭氏、事務局次長の竹田公生氏
左からEVPOSSA代表理事の澁江伸之氏、事務局長の石本隆昭氏、事務局次長の竹田公生氏

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