夏休みの自由研究課題を3Dプリンタで作ろう:3次元って、面白っ! 〜操さんの3次元CAD考〜(26)(1/2 ページ)
今回は3D-GANの実施した親子工作教室の様子を紹介。CADが全く初めてでも、子どもたちは操作に臆することは全くなく、自由気ままにモデリングを進めていく。作ったモデルは、後日、3D-GANが3Dプリンタで出力して届けてくれる。
まだ暑さが残る日々ですが、何となく過ごしやすい朝夕に秋の気配を感じる今日このごろです。皆さまいかがお過ごしでしょうか。子どもたちにとって、夏休みもいよいよ終わりを告げようとしていますが、8月も後半に入ると「自由研究や工作の中身が決まらない!」という焦りが見えてくる時期でもあります。
そこで3D-GANでは、ネコのいるコワーキングスペースとして知られる水道橋の「ネコワーキング」で、「夏休みに3Dプリンタで作ろう! 親子でパソコン工作教室!!」を開催。そのまま夏休み課題レポートにも使用できる資料なども用意してみました。
何といっても、話題の3Dプリンタ。もともと3D-GANでは、「子どもたちへの教育は大事なことである」とし、次世代を担う子どもたちに、3次元モデリングのスキルをぜひとも身に付けてもらいたいと考えてきました。そういうわけで、ネコワーキングと共同で工作教室をやることにしたのです。「きっと子どもたちも喜んでくれるはず!」と信じ、準備を進めました。
思い起こせば、今から2年前の2011年……、自分の娘に「Autodesk 123Dβ」で自分の好きな箱のモデリングの方法を教え、しかもぜいたくに「Connex」で出力したのも、ちょうどこの頃でした。
さて、工作教室はいかに
今回インストラクターを務めたのは、かつて3次元CAD「Pro/ENGINEER」や「Autodesk Inventor」を縦横に使いこなしていた、元ベンダーのエンジニアで3D-GANで理事を務める石井正明さんです。
今回使用した3次元CADは「MoI 3D」(モアイ スリーディー)です。MoIは日本語版を備え、有償ですが価格は3万5000円で、趣味で使うにしてもリーズナブルです。さらに、インストールしてから30日間は無料で使えますから、セミナーに来ていただいて、「もっとやりたい」ということであれば、家でも続けて使うことができ、購入する場合もそれほど負担にはなりません。ちなみに、現在3D-GANで行っているNゲージ(縮尺が148〜160分の1で、軌間9mmの鉄道模型)を作る体験セミナーでも使用しています。
さらに「親子で夏休みの思い出を作ってもらうこと」と、「セミナーをスムーズに進行させること」も考えて、「親子での参加」を条件としました。時間は3時間。それだけの時間で、3次元CADが全く初めての状態から、3Dプリント用の3次元モデル作成まで本当にたどり着けるのかという不安もありましたが、そこが、石井理事の腕の見せ所だったのでした。
で、今回のお題として作ったのがこちらの5点です。
基本的に、どれも石井さんがベースとなる形状を用意し、それらを組み合わせるというやり方でモデリングを進めました。ただし、そのままではつまらないので、形状の変形方法を教え、チャレンジしてもらいました。
子どもたちは、本当に自由気ままに、形状を変えたがります。それに対して石井さんも応えます。例えば、お題2のアイスクリームなら、「とにかく美味しく見えるようにしよう!」というしばりだけで、どう変形しようが自由です。
さて、今回の参加者ですが、女の子が多くて、「お父さんと娘」という組み合わせが目立ちました。実は、3Dプリンタに興味のあるお父さんが、「本当は自分が学びたいので、子どもを誘ってやってきた」という人もいるのではないかとか考えましたが……、どうでしょうね。
工作教室がいざ始まると、子どもたちは目を輝かせ、自分なりにモデルを改造をしていきます。
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