10〜20年先のキャリアを思い描いていますか? 年収が高い=必ずしもハッピーとは限らない:製造業エンジニア、転職活動の心得(1/2 ページ)
20代のエンジニアの中には、プロジェクトマネージャなどの上流職を志望する人が多いようです。ですが、10〜20年先のことを考えず、憧れだけでキャリアを積んでいくのは禁物。職業人生のゴールを意識してください。
本記事はパソナが運営する人材紹介サービスブランド「パソナキャリア」からITmediaキャリアに寄稿された記事に加筆・修正して転載しています。
憧れのプロジェクトマネージャ
日々、さまざまな業界のエンジニアに会う中で、20代の組み込みエンジニアがプロジェクトマネージャなど上流の職種を志望するケースが多いことを実感しています。
「より裁量の大きい仕事を求めて」「年収アップ」「上司に憧れて」など理由は人それぞれですが、プロジェクトマネージャへの転職を成功させて目的を達成した人は大勢います。
ただ、ふと気になることがあります。それは、「プロジェクトマネージャは10年後、20年後にどんなキャリアを積んでいるのだろう」ということです。
組み込みエンジニアのキャリアパス
組み込みエンジニアの転職サポートをする中で、キャリアパスについての相談が多くなっています。組み込みエンジニアの職種には、どのようなものがあるのでしょう。
組み込みエンジニアの業務は多岐にわたりますが、情報処理推進機構(IPA)が策定した「組み込みスキル標準(ETSS)キャリア基準 Version1.0」では、次のような職種に分類しています。
- プロダクトマネージャ:製品の企画・開発・製造・保守などの統括
- プロジェクトマネージャ:プロジェクトの構築・遂行、および計画・指揮・監督
- ドメインスペシャリスト:特定の分野における専門的な知識・技能を駆使した実作業・支援
- システムアーキテクト:システム構造ならびに開発プロセスの設計
- ソフトウェアエンジニア:ソフトウェアの開発・実装・テスト作業
- ブリッジSE:組織的・地理的に分散するプロジェクト組織間の調整作業
- 開発環境エンジニア:使用するツール・設備などの、開発環境の設計・構築、運用
- 開発プロセス改善スペシャリスト:開発プロセスのアセスメント、および改善の推進
- QAスペシャリスト:プロジェクトの全工程における品質確保・維持・向上の推進
- テストエンジニア:テスト設計、テスト実行などのテスト作業の実施
年収とキャリアの関係
組み込みソフトウエア技術者を対象としたある調査結果によると、25歳以下ではソフトウェアエンジニアが大半を占め、プロジェクトマネージャとして活躍するのは30代から。その後、40代から50代にかけて、プロダクトマネージャやQAスペシャリスト、開発プロセス改善スペシャリストなど、専門的な職種が徐々に増えてきます。
これは、年収と職種のバランスが1つの要因になっているようです。年収が高いのはプロジェクトマネージャといった管理職ですが、専門職の中でも、30代後半では開発プロセス改善スペシャリストの年収がより高くなります。40代になると開発環境エンジニアやQAスペシャリストなども高くなる傾向があるようです。
しかし、必ずしも年収が高ければハッピーというわけではないようです。例えば、職種の「やりがい」の方が年収よりも優先順位が高い、という人もいます。
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