旧NEC系の最先端半導体工場が瀬戸際、ルネサスが鶴岡工場の閉鎖を検討:ビジネスニュース
ルネサス エレクトロニクスが、ルネサス山形セミコンダクタ(山形県鶴岡市)の鶴岡工場を閉鎖もしくは縮小する方向で検討しているという報道が相次いでいる。同工場は、任天堂の据え置き型ゲーム機向けSoCなどを製造してきた旧NEC系の最先端半導体工場だ。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)が、ルネサス山形セミコンダクタ(山形県鶴岡市)の鶴岡工場を閉鎖もしくは縮小する方向で検討しているという報道が相次いでいる。ルネサスは、「当社が発表したものではない」とのみコメントしており、報道内容の正否には触れていない。
ルネサスは、2012年8月に発表した収益基盤強化策の中で、デジタル家電やゲーム機向けのSoC(System on Chip)を製造していた鶴岡工場の300mmウエハー製造ラインを、1年以内に譲渡する方針を明らかにしていた(関連記事:ルネサスが収益基盤強化策を発表、2014年度の営業利益率は10%以上に)。有力な売却先として挙げられていたのが、先端ICの量産を委託するなど関係を深めていたファウンドリ最大手のTSMCである(関連記事:ルネサスがマイコンの製造をTSMCに委託、人員削減や工場売却は語らず)。
しかし、富士通が2013年2月、富士通セミコンダクター三重工場(三重県桑名市)の300mmウエハー製造ラインを、TSMCが中核となって設立する新たなファウンドリ企業(新ファウンドリ企業)に売却する方針を発表(関連記事:「半導体事業再編は苦渋の決断」、富士通セミコンの従業員数は2000人以下へ)。これにより、ルネサスが鶴岡工場300mmウエハー製造ラインをTSMCに売却するのは極めて難しい状況に陥っていた。
任天堂の据え置き型ゲーム機のGPUを製造
鶴岡工場の300mmウエハー製造ラインは、NECの半導体子会社だったNECエレクトロニクスの最先端ラインとして建設され、2004年から稼働を始めた。当時最先端の130〜90nmプロセスと大口径の300mmウエハーを使い、デジタル家電やゲーム機に求められる高性能かつ多機能のSoCを、低コストで生産することを目的としていた。
鶴岡工場で生産されたSoCで最も有名なのが、任天堂の据え置き型ゲーム機向けのものである。「ゲームキューブ」や「Wii」のGPUを製造しており、これらの実績を基に最新の「Wii U」のGPU製造も受注している(関連記事:ルネサスは通期営業黒字を達成できるのか、鍵を握る「Wii U」)。
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