医療機器メーカーへの転職事例にみる、異業界から転職する際のポイント:モノづくりエンジニアのキャリアづくり(1/2 ページ)
電気系エンジニアの方の転職先として自動車業界と並んで人気のある医療機器業界。どんな方が医療機器メーカーへの転職を成功させているのか、ポイントをまとめました。
本記事はインテリジェンスが運営する転職情報サイト「DODA」の記事に加筆・修正して転載しています。
電気系エンジニアの方々を担当している、DODAキャリアコンサルタントの大澤優子です。
昨今のエレクトロニクス業界の業績不振の影響で工場閉鎖や事業縮小が相次いでおり、特に家電メーカーや半導体メーカーご出身の多くの方がやむを得ない事情で転職活動をされている状況です。
そんな中、電気系エンジニアの方の転職先として自動車業界と並んで人気のある医療機器業界に、今回のコラムでは注目してみたいと思います。どんな方が医療機器メーカーへの転職を成功させているのか、事例を紹介しながら医療機器業界への転職のポイントについてまとめました。
転職事例(1)高周波回路の設計経験を生かして、医療機器の無線通信技術に携わるAさん
- Aさん 33歳/女性/転職回数1回/高周波回路の設計経験者
通信機器のアナログ・高周波回路設計の経験が豊富なAさんでしたが、景気悪化によって在籍していた会社の受注が大きく減ってしまい、人員削減の影響で開発に直接かかわらない営業や品質管理、購買などに業務範囲が広がっていました。その結果、業務過多になってしまったことに不安を感じ、転職活動を始めました。
医療機器には、実は無線通信技術(患者と離れたところから医師・看護師が監視できるシステム、ハンディサイズの計測器の情報をデータベースに無線で飛ばすシステムなど)が多く使用されており、高周波のスキルをお持ちの方はこの分野では非常にニーズが高いのです。いくつかの企業から内定が出たAさんでしたが、もともと社交的な人柄であり、営業と同行して仕様検討ができる点や、人命に携わる使命感をもって取り組める医療機器という製品分野に魅力を感じ、医療機器メーカーへの入社を決断しました。
転職事例(2)回路設計の経験は1年程度。自己研鑽の実績をアピールして内定を得たBさん
- Bさん 29歳/男性/転職回数0回/映像音響機器のFPGAでのデジタル回路設計経験者
Bさんは映像音響機器の回路設計・評価を担当していましたが、入社後数年は評価や製造品質検査が中心で、基板回路設計自体の経験は1年程度しかありませんでした。転職活動を始め、いくつかの企業に応募したBさんでしたが、設計経験が浅いなどの理由で書類選考がなかなか通過しない状況が続いていました。
そこで、職務経歴書の中で、実務経験以外のプログラミングに対する自己研鑽の実績や、アナログ回路に対しての学習意欲などもアピールしたところ、向上心や「知らない点は素直に勉強していこう」という謙虚な姿勢が評価につながり、ある医療機器メーカーの内定を勝ち取ることができました。医療機器メーカーは、中途入社した人に対する品質基準についての研修や社内勉強会が充実していることが多く、Bさんも入社後に新たな知識を習得し、異業種の業務にキャッチアップしているそうです。
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