何でもつかめるロボットハンドから寝たまま本が読める自動ページめくり機まで、ダブル技研:FAニュース/ROBOTECH 次世代ロボット製造技術展
ダブル技研は、東京ビッグサイトで開催された「ROBOTECH 次世代ロボット製造技術展」に出展し、ロボットハンド「D-Hand」や、自動ページめくり機「りーだぶる3」の展示デモを披露した。
ダブル技研は、東京ビッグサイトで開催された「ROBOTECH 次世代ロボット製造技術展」(会期:2013年7月3〜5日)に出展。ロボットハンド「D-Hand」や、自動ページめくり機「りーだぶる3」の展示デモを披露した。
どんなモノでもワンハンドでキャッチ
D-Handは、人体の骨格構造を模擬し、複数の圧力センサーを用いることなく、各関節への力を分散させてバランスを保ちながらモノの形状に沿うように屈曲動作を行い、把持(しっかりと持つことが)できるロボットハンドである。人体の動力源である“腱”をリンク機構で再現し、全ての関節を一連の連動リンクとすることで、1つのアクチュエータ(モーター)で把持動作を実現しているという。
ロボットハンド「D-Hand」によるデモの様子(1)。アーム部は安川電機製のロボットを使用。いろいろな形状のモノを把持し、移動するデモを実演していた。白色のロボットアームの先端に付いている3本指の手がD-Hand(Type A3H)。第29回 神奈川工業技術開発大賞の「大賞製品」に選ばれたそうだ
通常、ロボットの関節1つ1つにアクチュエータが必要になるが、D-Handではそれが1つで済むため、軽量化・小型化に貢献できる。「特許技術である特殊なリンク機構により、関節を順々に閉じるような動作が可能なので、ワーク(搬送・組み立ての対象物)に対して、ロボットの指を馴染ませるようにつかむことができる」と説明員。こうした特徴から、D-Handであれば、たった1つのロボットハンドでいろいろな形状のモノに対応できる。つまり、従来のように、流れてくるモノが変わるたびにラインの段取り替え(ユニット交換など)をする必要がなくなるわけだ。また、価格面でもロボットハンドに組み込まれるアクチュエータの数が大幅に削減されるため、「従来よりもコストが下がり、比較的安価に導入することができる」(説明員)という。
どんな姿勢でも本が読める
D-Handのデモ展示の横では、りーだぶる3という自動ページめくり機のデモを見ることができた。りーだぶる3は、体の不自由な方が読書をする際に利用するもので、ローラーにより、親指と人差し指で1枚ずつページをめくるように本を読むことができる装置だ。1998年6月に初代りーだぶるを発売し、改良を重ね、これで3世代目となる。文庫本からA4サイズまで対応可能で、オプションのスタンドと組み合わせることで、さまざまな姿勢で読書を楽しむことが可能。価格は36万2250円(税込)と個人で購入するには少々高価だ。
「実は、日本国内よりも補助金制度が進んでいる欧州で売れている。全体の約9割が欧州への輸出。残念ながら、日本だとまだ娯楽品扱いに近い状態。現状、高知県と岐阜県の2県しか補助金制度がない。だから、日本では欧州のように障害のある方が個人で購入して利用するようなケースはまだ少ない」(説明員)。
ロボット開発の最前線
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