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スマホや自動車、B787にも対応、東レが炭素繊維樹脂シートの生産設備を増強材料技術

東レは、石川工場における炭素繊維樹脂含浸シート(プリプレグ)の生産設備を増強する。新たな生産ラインは、スマートフォンやPCなどの電子機器の筐体から、自動車の外板、航空機に至るまで、さまざまな用途のプリプレグを生産できるという。

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東レが炭素繊維樹脂シートの生産設備を増強

 東レは2013年7月4日、石川工場(石川県能美市)における、炭素繊維樹脂含浸シート(プリプレグ)の生産設備を増強すると発表した。第2系列となる新たな生産ラインには、高付加価値のプリプレグを効率的に生産できる最新鋭の設備を導入する。投資金額は約30億円。2015年2月からの生産開始を予定している。

 今回の第2系列の増設は、スマートフォンやPCなどの電子機器の筐体、自動車の外板(ボンネットやルーフなど)をはじめ、均一な品質や外観の良さが求められる産業用の高付加価値プリプレグの需要増に対応するための能力増強となっている。増産効果によるコスト競争力の向上も図るという。

東レが「人とくるまのテクノロジー展2013」で展示した炭素繊維樹脂製の車両構造部品
東レが「人とくるまのテクノロジー展2013」で展示した炭素繊維樹脂製の車両構造部品(クリックで拡大)

 さらに、炭素繊維樹脂の採用によって軽量化を実現したBoeing(ボーイング)の最新鋭ジェット機「B787」向けのプリプレグも生産できる仕様になっている。つまり、電子機器から自動車の外板、航空機まで、各市場における炭素繊維樹脂の需要動向に併せて柔軟な対応が可能というわけだ。

 石川工場は、B787の1カ月当たりの組み立て機数が2013年末に10機に到達する見込みに合わせて、ボーイングからの設備認定を取得中。2014年初頭には、第1系列で生産したB787向けのプリプレグの供給を始める計画である。

 東レのプリプレグ生産拠点は、石川工場の他に、愛媛工場(愛媛県松前町)、米国の子会社Toray Composites(米国ワシントン州タコマ市)にある。今回の石川工場の生産増強により、プリプレグの安定供給体制とBCP(事業継続計画)への対応が可能になるとしている。

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