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日本の「モノづくり革新」は実装技術が支える、国内大手の最新機種が一堂にJISSO PROTEC 2013リポート(1/2 ページ)

実装技術の展示会「JISSO PROTEC 2013(第15回実装プロセステクノロジー展)」では、「高品質」、「省人化」、「自動化」などをキーワードに最新の実装機や検査機、生産管理システムなどが展示された。

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JISSO PROTEC 2013の会場風景

 「JISSO PROTEC 2013(第15回実装プロセステクノロジー展)」、「JPCA Show 2013」、「ラージエレクトロニクスショー2013」、「2013マイクロエレクトロニクスショー」という4つのエレクトロニクス技術の専門展から構成される展示会イベントが、2013年6月5〜7日にかけて、東京ビッグサイトで開催された。

 展示会場では電子/電気機器、情報通信機器に使われる電子回路や電子部品実装技術、材料、製造機械/装置などに関する最新情報が発信された。中でも、実装技術に焦点を当てたJISSO PROTEC 2013では、国内の大手実装機メーカーが、「高品質」、「省人化」、「自動化」をキーワードに、日本の「モノづくり革新」を支える最新の実装機や検査機、生産管理システムなどを中心にデモ展示を行った。本稿では、JISSO PROTEC 2013を中心に、来場者の注目を集めた製品や技術を紹介する。


「JISSO PROTEC 2013」の会場の模様

「生産」「品質」「プロセス」のイノベーションを提案


ヤマハ発動機の生産イノベーションコーナー

 ヤマハ発動機は、「SMT Innovation」を軸に、3つのイノベーションを提案した。それは、「生産」、「品質」および「プロセス」のイノベーションである。生産イノベーションコーナーでは、高密度モジュラーマウンタ「Z:TA」や、参考出展したデュアルレーンの光学外観検査装置などのデモ展示を行った。「Z:TAは、4つのヘッドを搭載している。このヘッドを交換すれば抵抗やコンデンサなどの小型チップ部品から、コネクタやトランスなど異形の大型部品まで、1台で柔軟に対応することができる」(説明員)と、その柔軟性を強調する。従来の実装機だとヘッド交換ができず、部品形状ごとに対応する実装機をそろえる必要があった。また、2種類の異なる基板サイズに対して同時に部品実装を行うこともできる。

 プロセスイノベーションコーナーでは、ディスペンサーの位置決め精度を従来の±0.1mmから±0.05mmに高めた新モデルを展示した。実装速度も20%向上している。品質イノベーションコーナーでは「不良ゼロへの挑戦」を掲げ、実装機と検査機を連動させることで工程内の「見える化」を提案した。特にQAオプションとモバイル判定機能を組み合わせることで、検査機で実装基板が不良と判定された場合、作業者のモバイル端末にその情報を知らせ、担当者が実際に基板を確認して最終的な良否の判定を行うことができるデモ展示を行った。

電子部品実装の後工程も自動化


部品の手挿入を自動化する「JM-10」

 JUKIは、「Easy」、「Economy」、「Expansion」の「3E EVOLUTION」をテーマとして掲げ、後工程の自動化と、多様化するSMT実装への柔軟な対応を提案した。チップ部品の実装は自動化が進んでいるが、トランスやコネクタ、大型アルミ電解コンデンサ、LEDといった大型部品や異形部品は、チップ部品を自動実装した後に、手挿入されているケースも多い。しかし、「中国などで人件費が高騰していることや、作業者のスキルの違いによる品質のばらつきをなくすために、実装の後工程でも省人化/自動化に対するニーズが高まってきた」(説明員)という。今回展示したマウンタ「JM-10/JM-20」はこのような自動化のニーズに対応した。

 電子部品はテープやスティックで供給されるものもあれば、バラバラに個別で供給される部品もある。このため同社では、吸着部の形状などを工夫することで大型の異形部品などにも対応している。さらに、カスタムの吸着ノズルにも対応していく予定だ。

 高い生産性と汎用性、高品質を実現可能とするマウンタが「RX-6」である。ヘッドを交換することで、一般的なチップ部品をはじめ100mm角のICチップ、長さ180mmのコネクタ、高さが最大33mmの電子部品など、さまざまな電子部品に対応する。さらに、レーザー光による検査機能を搭載しており、部品の有無やチップ立ち検査はもとより、新たに表裏判定検査も可能とした。

全体最適で「日本流モノづくり」へ

 パナソニックは、実装工場におけるMES(生産実行管理システム)として、初期導入コストを抑えた「PanaCIM-EE」を提案するとともに、コストパフォーマンス対応や生産性対応、合理化対応、多品種少量対応などを図った新製品やシステムをコーナー別に展示した。さらに、先端プロセスコーナーでは、0201(0.2×0.1mm)/03015(0.3×0.15mm)部品の実装技術やバンプ形成印刷工法などを紹介した。

 PanaCIM-EEは、「材料照合」や「稼働分析」、「トレーサビリティ」、「材料管理」、「稼働モニタ」、「自動機種切り替え」などに対応する機能モジュールを用意している。従来は大規模な工場向けのシステムだったが、PanaCIM-EEは、生産ライン単位に導入できるパッケージとした。このため、「従来に比べて最大85%少ない初期投資で導入することが可能となった。特に最近はトレーサビリティに対するニーズが高まっている」(説明員)という。PanaCIM-EEを活用してもらうことで、モノづくりの全体最適につながる提案を行っていく。


コストパフォーマンス対応の中速機「AM100」

 コストパフォーマンスを追求した実装機としてパナソニックが新たに提案するのが中速機の「AM100」である。さまざまな部品実装に対して1台で対応することが可能な汎用性を備えつつ、オプション群を追加すれば多品種少量生産や、先端部品の実装まで、幅広いニーズに対応することができる。ヘッドは14ノズルヘッドを搭載しており、最大14mm角のICチップ、0402(0.4×0.2mm)サイズ〜大型の120×90mmサイズまでの電子部品、150×25mmのコネクタなどに対応することができる。

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