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「歩いた床が燃える」「描いた絵が水槽を泳ぐ」――体験型デジタルサイネージ最新事情組み込みイベントリポート【DSJ2013】(1/2 ページ)

デジタルサイネージシステムの専門展示会「デジタルサイネージ ジャパン 2013(DSJ2013)」が2013年6月12〜14日の3日間、幕張メッセで開催された。本稿では、日本マイクロソフト・パビリオンで見ることができた、“体験型”“ユーザー連動型”のデジタルサイネージ関連製品・技術を紹介する。

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デジタルサイネージジャパン 2013

 ディスプレイからデジタルサイネージシステム、関連ソリューションまでが一堂に集結する総合展示会「デジタルサイネージ ジャパン 2013DSJ2013)」が2013年6月12〜14日の3日間、開催された。

 本稿では、同展示会の中で、特に“体験型”“ユーザー連動型”のデジタルサイネージ関連製品・技術を訴求していた、日本マイクロソフト・パビリオンの模様を中心にお届けしたい。

 なお、会場となった幕張メッセ(国際展示場、国際会議場)では、「Interop Tokyo 2013」「IMC(Interop Media Convergence) Tokyo 2013」「スマートデバイスジャパン 2013(SDJ2013)」「ロケーションビジネスジャパン」が同時開催されており、多くの来場者で賑わっていた。運営側の公式発表によると、同時開催イベントを含め、3日間トータルで13万1984人が来場したという。

日本マイクロソフト・パビリオン
「デジタルサイネージジャパン 2013」に出展した日本マイクロソフトのパビリオン。パビリオン内ではパートナー企業各社が、インタラクティブ性の高いデジタルサイネージシステムやソリューションを数多く披露していた

床面インタラクティブサイネージ登場! 2台のKinectを活用

 日本マイクロソフト・パビリオンの中央で、オフィスエントランス向けソリューションと題し、展示デモを行っていたエヌエスティ・グローバリスト。同社は、DSJ2013で初披露となる「Interactive Carpet BRAVO MATブラボー! マット)」のデモを実演し、多くの来場者の注目を集めていた(販売開始は2013年6月からを予定)。

「Interactive Carpet BRAVO MAT(ブラボー! マット)」
エヌエスティ・グローバリストが展示デモしていた「Interactive Carpet BRAVO MAT(ブラボー! マット)」。写真中央の上部に見える木目調の物体が専用装置(銀色はプロジェクター)だ。2013年6月から販売を開始する予定だという

 ブラボー! マットとは、空間演出や店舗・来場促進などを目的に開発された、床面をインタラクティブに演出してくれるデジタルサイネージシステムである。展示会場では、床に映し出された水面の映像の中に人が立ち入ると、魚やカメが人の立つ場所に寄ってきたり、投影された画像を人が踏み付けると、火が付いて燃え広がったりする演出を実演していた。

足で踏んだところから燃えていくデモ
足で踏んだところから背景画像が燃えていくデモの様子。複数人でも楽しむことができる

 専用装置(サイズ:580×350×825mm)には、第3世代インテルCoreプロセッサ搭載のIBASE Technology(iBASE)製デジタルサイネージプレーヤー「SI-64」と、床面にインタラクティブな映像コンテンツを映し出すプロジェクター、そして、人の検出や脚の動きを捉えるためのセンサーデバイスとしてマイクロソフトの「Kinect for Windows」が“2台”搭載されている。床面への投影サイズは、およそ2000×1200mmだ(床面の素材や照明で見え方が異なる)。

Kinect for Windows
よく見ると2台の「Kinect for Windows」が“Vの字”に設置されているのが分かる

 投影されるコンテンツ映像は、デジタルサイネージによる空間演出サービスなどを手掛けるインター・アート・コミッティーズが製作。無償で利用可能な基本パッケージと、広告・販促やクーポンなど、利用目的に応じてカスタマイズできるオプションコンテンツが選択できる。「本システムであれば、大掛かりな設置工事が不要となる。専用装置を設置するだけですぐに利用できる。また、コンテンツの切り替えもUSBメモリの差し替えだけで簡単に行える。オフィスや店舗のエントランス、キッズスペースなどに活用できるのではないかと考えている」と説明員。

自分の描いた絵が水槽を泳ぐ!? 「紙アクアリウム」とは

 同じく日本マイクロソフト・パビリオンに出展した岡谷エレクトロニクスは、子どもから大人まで“お絵描き”の楽しみを広げるコミュニケーションツールと題し、「超短焦点プロジェクター “紙アクアリウム”」の展示デモを行っていた。紙に好きな絵を描いて、それをスキャナーで読み込むと、その絵が水槽を模した透過性ディスプレイ上に魚として映し出されるというものだ。

「超短焦点プロジェクター“紙アクアリウム”」
岡谷エレクトロニクスが展示デモしていた「超短焦点プロジェクター“紙アクアリウム”」。リコーの「紙アプリ」に取り込まれた手書きの絵は、その色や形から泳ぎ方が変化する
紙アプリの「紙アクアリウム」の紹介動画(出典:リコー)

 同システムは、画像解析技術を応用して開発されたリコーのレクリエーションソフト「紙アプリ」と、11.7cmの超至近投影が可能な、同じくリコーの超短焦点DLPプロジェクター「IPSiO PJ WX4130N(WX4130N)」(サイズ:257×144×221mm/重さ:約3kg)、そして、アクリル板に現在開発中の大日本印刷の特殊フィルムを張り付けた透過性スクリーンを組み合わせたものである。ちなみに、今回の展示会では、紙に描いた絵を取り込むためのスキャナーおよびWX4130Nが接続され、紙アプリが動作するマシンとしてノートPCが用いられていたが、「実際に販売する際には、ミドルレンジのデジタルサイネージプレーヤー(iBASE製「SI-62」)が用いられる」(説明員)そうだ。

透過性ディスプレイリコーの超短焦点DLPプロジェクター「IPSiO PJ WX4130N」 (左)アクリル板に現在開発中の大日本印刷の特殊フィルムを張り付けた透過性スクリーン/(右)リコーの超短焦点DLPプロジェクター「IPSiO PJ WX4130N(WX4130N)」【※画像クリックで拡大表示】

スキャナーで紙に書いた絵を取り込む水槽に表示される (左)スキャナーで紙に書いた絵を取り込む/(右)取り込んだ絵は水槽内に表示され、魚のように泳ぐ【※画像クリックで拡大表示】

ミドルレンジのデジタルサイネージプレーヤー
iBASE製のミドルレンジのデジタルサイネージプレーヤー「SI-62」。ノートPCではなく、SI-62のような専用の組み込み機器を組み合わせて販売する方向で現在評価中であるという
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