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廃棄物をエンタメ役者に! 「工場ハック」に潜入してみた「ナカダイ モノ:ファクトリー」のイベント(1/3 ページ)

産廃処理場に観光バスでツアー? 「ナカダイ モノ:ファクトリー」のイベント「工場ハック」とは。

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 群馬県前橋市にある廃棄物中間処理業者のナカダイは、自社に持ち込まれる廃棄物を素材として再利用するユニークな事業展開で有名な企業だ。「工場ハック」と呼ばれるイベントでは、観光バスを1台貸し切って、東京から群馬県の廃棄物処理場に向かう。

 「ナカダイ モノ:ファクトリー」と呼ばれるそこは、廃棄物処理場でありながら、年間800人を超える“Maker”(作り手)やアーティストが集まり、数多くのワークショップや体験イベントが行われるモノづくり拠点であり、全体が「楽しくてワクワクする場所」となるように配慮されている。

 このイベントでは、まず持ち込まれる大量の廃棄物を見て、参加者自身がそれらを解体して、それぞれの材料に分ける。そこから、自分が持ち帰りたいモノを探し、アクセサリー作りなどを体験する。


信号機がたくさん? さまざまな廃棄物たち


信号機の山。いつも高いところにあるから分からないけど、思ったより大きい!

 観光バスを降りて、いきなり目に付いたのは、信号機の山だった。普通は、こんなに大量の信号機を間近で見る機会なんてそうそうない。一気に僕のテンションが上がる。


ツアーの説明をするモノ:ファクトリー代表の中台澄之氏とスタッフの皆さん

参加者もおそろいのヘルメットを身に着け、工場ハックの始まりだ!

 ナカダイの中間廃棄物処理場には、毎日数十トンという大量の廃棄物が運び込まれる。「廃棄物」というと、「ゴミ箱に入れられているような、雑多なモノ」をイメージするだろう。実際は「いらなくなったモノ」であり、古道具だったり、B級品だったり、在庫の型落ち品だったりとさまざまだ。

 ナカダイでは、廃棄物を以下のように販売している。

  • そのまま再利用(リユース)
  • 分解して素材ごとにそろえるなど、形を変えてそのまま使う(同社の「マテリアルライブラリー」で販売)
  • 素材/燃料として使えるように加工する(マテリアルリサイクル/サーマルリサイクル)

 例えばイスは、化学繊維の布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチック、金属パイプなどでできている。イスのままだと処分に困る場合も、素材ごとに分けると、PET素材からペットボトルが生まれるように、お金を取って売れる「素材」になる。これが「マテリアルリサイクル」である。

 ナカダイのスタッフは、工場に持ち込まれる廃棄物が、どういう素材でできていて、何に使われていたのかをよく知っていて、楽しそうに説明してくれる。

 見分けがつかない素材は、火を着けてみて、においで素材を見分けたりする。新しい廃棄物が入ってくると、素材ごとに分解したり、新しい使い方を考えたり……、工場見学はとても楽しい雰囲気が漂う。

 おそろいの緑のツナギ、作業の隅々まで楽しそうに説明するテンション、工場内の案内板の内容など、さまざまな要素が組み合わさって工場全体から醸し出される「カッコよさ」。いずれも「産廃処理」という言葉のイメージからはるかに超えている。この体験はナカダイだけにあるものかもしれない。


同社のマテリアルライブラリーで販売されている部品。同じモノだけが集められ、東急ハンズなどの実店舗でも販売されている

コンピュータ基板の廃材

同じ基板をそろえることで、こんな作品が作れる

素材のリユースから生み出されたアート作品。材料は、LANケーブルの中の信号線を包む8色のチューブ

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