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性能と柔軟性を備える「Zynq-7000」ファミリを活用したソリューションの姿TEDプログラマブルソリューション2013 レポート(1/3 ページ)

東京エレクトロン デバイスは2013年2月1日、プライベートカンファレンス「TEDプログラマブルソリューション2013 All Programmableを選択するという価値」を開催した。展示ブースでは、ザイリンクスの「Zynq-7000」ファミリを搭載した評価ボードによるソリューション展示が多数披露され、来場者の注目を集めていた。

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 東京エレクトロン デバイスは2013年2月1日、Xilinx(ザイリンクス)のプログラマブル SoCおよびFPGA関連製品に関するプライベートカンファレンス、「TEDプログラマブルソリューション2013 All Programmableを選択するという価値」を東京コンファレンスセンター品川で開催した。毎年恒例のイベントということもあり、会場は多くの来場者でにぎわっていた。

 本稿では、会場でひときわ注目を集めていたザイリンクスのAll Programmable SoC「Zynq-7000」ファミリを搭載した評価ボードによるソリューション展示の詳細レポートと、基調講演およびザイリンクスの講演のダイジェストを中心にお届けする()。

注:講演のダイジェスト(3ページ目)は、MONOist編集部著

目玉は「Zynq-7000」ファミリ搭載の評価ボードによるソリューション

東京エレクトロン デバイス

 さすが主催者だけあって、非常に多くの展示を行っていた東京エレクトロン デバイス。同社のブースの中から、筆者の目を引いた幾つかの展示デモの様子をレポートしたい。

 最初に紹介するのは、黒い背景の中にある赤や緑の目標を、3軸制御のアームの付いたカメラで追尾するというデモだ。

ZC702
ザイリンクスのZynq-7000 SoC ZC702評価キット「EK-Z7-ZC702-CES-G-J」と東京エレクトロン デバイスのHDMI1.3インタフェースボード「TB-FMCL-HDMI」を組み合わせて、画像処理とカメラを搭載したアーム(3軸)の制御を実現。展示会場では、目標物を追尾するデモを披露した

 デモシステムに用いられていたのは、ザイリンクスのZynq-7000 SoC ZC702評価キット「EK-Z7-ZC702-CES-G-J」と東京エレクトロン デバイスのHDMI1.3インタフェースボード「TB-FMCL-HDMI」を組み合わせた環境だ。カメラからの入力画像をプログラマブルロジック(ハードウェア)部で画像処理して、周りの背景から色が際立って変化している部分(目標の位置)を抽出。その座標をソフトウェア側に送り、ソフトウェアがサーボモータを制御し、カメラの中心に目標が納まるようにアームを動かすというもの。Zynqを利用することでハードウェア画像処理と、RTOS(ThredX)およびソフトウェアによる制御を1チップで実現できたという。

 続いて紹介するのは、ザイリンクスのZynq-7000 SoC ZC706評価キット「EK-Z7-ZC706-CES-G-J」を使用したPCI Expressのデモだ。

デモ環境システム構成 ギガビット トランシーバ内蔵のZynq評価ボードのデモ。PCI Expressのリンク部をZynqに任せている。PCから転送された画像データをZynqで受けてバッファリングし、ハードウェアによる画像処理をほどこした上で、再度Zynqから出力している。ハードウェア画像処理により、CPU側への負荷がほとんど掛からないという

 まず、PCから画像データを評価ボードに転送し、Zynqのプロセッシングシステムでバッファリングする。そして、バッファリングした画像データをハードウェアでフィルタをかけて画像処理を行い、グラフィカルなUIを付加してZynqから出力している(写真左側のモニター出力)。このデモでは、マルチチャンネルDMAを使ってランダムにテストデータを送り、また送り返してもらうという処理を、上り・下り同時に行い、実際の帯域が送信側/受信側でどれだけ出るかをモニタリングできるようにしている。ハードウェアで画像処理するため、ソフトウェア処理に比べてパフォーマンスが良いのが特徴。さらに、CPUリソースをほとんど使用しないため、発熱が抑えられるというメリットがあるとのことだ。

 さらに、放送業界を視野に入れたものとして、OmniTek(オムニテック)のブロードキャスト向けIP(Intellectual Property)を搭載した評価ボードをデモしていた。

XC7Z045
Zynq-7000 SoC「XC7Z045」を搭載したボードに、オムニテックのブロードキャスト向けIPを組み合わせた評価キット。右側に見える従来型の測定器と同じことが1ボードでできるようになるという

 これは、Zynq-7000 SoCデバイスでハードウェアロジックの規模が最大となる「XC7Z045」を搭載したボードに、オムニテックのブロードキャスト向けIPを組み合わせた評価キットである。映像インタフェースには、ブロードキャストアプリケーション向けのシリアルデジタルインタフェース(SDI)を備えており、各種ブロードキャスト映像用信号を確認するデモを披露していた。ZynqのARMコア(ARM Cortex-A9 MPCore)で動くLinux環境を通じて、さまざまなパラメータを設定でき、「顧客のアプリケーションに近いところまでシミュレーションできるものを提案していく予定」(説明員)とのこと。これまで測定器(画像右側)で行っていた全てのことが、オムニテックのIPを使うことにより、Zynq搭載の1ボードで実現可能になる。そのため、コストが従来の半分ほどに抑えられるとしている。

 東京エレクトロン デバイスのブースには、他にもザイリンクスのFPGA「Xilinx 7シリーズ」の最上位ファミリ「Virtex-7」を搭載したASIC評価プラットフォーム「TB-7V-2000T-LSI」やZynq-7000 All Programmable SoC搭載のエクステンションマイクロコントローラーカード「TB-7Z-020-EMC」の展示が行われていた。

TB-7V-2000T-LSI
Virtex-7 FPGAを搭載したASIC評価プラットフォーム「TB-7V-2000T-LSI」
TB-7Z-020-EMC
Zynq-7000 All Programmable SoC搭載のエクステンションマイクロコントローラーカード「TB-7Z-020-EMC」
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