コンバージョンEVが1年間で1万kmを走破、電費は1km当たり1.6円:電気自動車
NTNは、静岡県磐田市と連携して実施した改造電気自動車(コンバージョンEV)を用いた社会実証実験の結果を公表した。同市に提供した2台のコンバージョンEVは1年間で1万kmを走破。1km走行するのに掛かった費用は1.6円で、ガソリンエンジン車の5分の1で済んだという。
NTNは2012年2月4日、静岡県磐田市と連携して実施した改造電気自動車(コンバージョンEV)を用いた社会実証実験の結果を公表した。
同社は、既存の内燃機関車のエンジンを電動システムに置き換えたコンバージョンEV2台を、実証実験車両として磐田市に提供。1台は、減速機内蔵のモーターをタイヤホイール内に組み込んだインホイールモーターEVで、もう1台は車台側にモーターを搭載するタイプのEVである。車両製作は、磐田市内にEVの開発拠点を構えるタジマモーターコーポレーションが担当した。
2台のコンバージョンEVは、2011年10月から約1年間にわたって、磐田市の公用車として市街地などの近距離移動や磐田市内で開催されたイベントなどで利用された。総走行距離は1万1104km、1回の充電による最高走行距離は95km、走行距離1km当たりの費用は1.6円(ガソリンエンジン車の約5分の1)になったという。
NTNは、社会実証実験を通じて、「インホイールモーターEVの課題とされる、走行時における乗り心地や駆動音をはじめ、多数のデータを収集できた」としている。さらに、国土交通省が検討中の「超小型モビリティ認定制度」に対応した「小型EV用インホイールモータシステム」を搭載する2人乗り小型EV(関連記事)についても、静岡県や磐田市と協力しての実証実験を計画中である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- SIM-Driveが「シトロエンDS3」のコンバージョンEVを公開、開発期間は半年以下
電気自動車(EV)ベンチャーのSIM-Driveは、「オートモーティブ ワールド2013」において、PSA Peugeot Citroenの小型車「Citroen DS3(シトロエンDS3)」をベースに開発したコンバージョンEV「DS3 Electrum」を公開した。2011年7月〜2012年1月の約半年間で開発を完了したという。 - 新東名高速道路を2人乗り小型EVが走る、インホイールモーターを搭載
NTNが開発した「小型EV用インホイールモータシステム」を搭載する2人乗り小型EVの実証実験が静岡県で始まる。新東名高速道路の「通り初め」では、この2人乗り小型EVが登場した。 - EV改造のガイドラインが完成、運輸局などでの活用へ
電気自動車普及協議会(以下、APEV)は2011年4月、東京都内で記者会見を開き、既存のガソリンエンジン車から電気自動車(EV)への改造(EVコンバージョン)を行う際のガイドラインを発表した。