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「2Dから3Dへ」、計測手法の転換期を迎える実装基板外観検査装置ネプコンジャパン2013 リポート(2/2 ページ)

2013年1月16〜18日に東京ビッグサイトで開催された「ネプコン ジャパン 2013」では、エレクトロニクス製品の製造に用いられる最新の装置や部品・材料が展示された。本稿では、計測手法が2次元から3次元へと進化している実装基板の外観検査装置について紹介する。

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直径100μmのバンプ形状を検査

 CKDは、3D ICパッケージ印刷検査装置「VPB-100」を参考出展した(図4)。VPB-100は、ICチップを直接実装するような基板に対して、微小な接合バンプの形状などを検査できる装置である。基板面方向の分解能は10μm/5μm(デジタル切り替え)で、直径100μmのバンプ形状を検査することができる。また、HEPAフィルターを内蔵することにより、クラス1000までのクリーンルーム内で利用できるようになっている。

図4 直径100μmのバンプを検査できる「VPB-100」
図4 直径100μmのバンプを検査できる「VPB-100」

 検査できる基板サイズは100×270mm〜460×420mmまで。基板の反りを矯正する機構をオプションで装備することもできる。検査のタクトタイムは、30万バンプで90秒である。

 同社は、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末で、複数の印刷検査機の稼働状況を監視できる遠隔管理システム「SmartRIn」も参考出展した。モバイル端末を活用して、最大6台までの検査機の稼働状況をリアルタイムで確認可能で、通信可能な環境であればどこにいてもグラフ表示によって生産状況を把握することができる。もし、実装ラインで問題が発生すれば、モバイル端末にアラームで告知し、その場で不良パッドの状態を、数値データと3D画像で確認することができる(図5)。同社では、このシステムを2013年6月頃にも発売する予定だ。

図5 モバイル端末に不良パッドの状態を表示した例
図5 モバイル端末に不良パッドの状態を表示した例

マルチアングルセンサーで“真のパッド基準”を測定

 アンリツ産機システムは、3次元印刷ハンダ検査機「KLS5421A」を展示した。一般的な外観検査装置がカメラを用いて形状を測定しているのに対して、KLS5421Aはレーザースポット測定を採用している。このため、はんだのくぼみなど細かな形状を高い精度で計測できる(図6)。

図6 ハンダの形状を高い精度で計測し3D表示できる
図6 ハンダの形状を高い精度で計測し3D表示できる

 さらに、これまでオプション機能であったマルチアングル(MA)センサーを、今回のモデルからは標準で搭載した。MAセンサーを使えば、ソルダーレジストを透過しその下にあるパッドやパターンの表面を捉えることができる。同社の説明員は、「カメラを使った一般的な検査機ではソルダーレジストを基準面としてしか捉えられない。この場合、パッドがソルダーレジストの下に埋もれているとき測定できないことがある。真のパッド基準を測定できるMAセンサーを搭載していることは、KLS5421Aの大きな強みの1つだ」と述べている。

 KLS5421Aは、大幅な軽量化を図ったことも特徴となっている。プリント基板を装着するステージなど、使用する部品を軽量化することで実現した。この結果、装置重量は、従来モデルの650kgからほぼ半減となる350kg以下になった。

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