BMWがLTE接続機器を発表、同社の全車種向けにオプション提供:ビジネスニュース 企業動向
BMWは、同社の全車種に向けたオプションアクセサリとして、LTE接続用機器「BMW Car Hotspot LTE」を提供すると発表した。最大8台のモバイル端末を同時に接続可能な同製品を利用することにより、路上で高速/小遅延のインターネット接続を実現することが可能になる。
自動車大手のドイツBMWは、同社の全車種に向けたオプションのアクセサリとして、LTE接続用機器「BMW Car Hotspot LTE」(以下、Hotspot LTE)を提供すると発表した。同製品はルーターとして機能し、最大8台のモバイル端末を同時に接続することができる。これを使用することにより、路上で高速/小遅延のモバイルインターネット接続を実現できるようになる。
Hotspot LTEを利用するには、LTE対応のSIMカードが別途必要になる。モバイル機器の無線LANインタフェースを介してHotspot LTEに接続する場合、初回のみ8桁のコードを入力する必要がある。NFC(Near Field Communication)インタフェースを備えるモバイル機器の場合は、その機器をHotspot LTE上にかざすだけで無線LAN接続の設定を自動的に行うことができる。
BMWによると、NFCの機能を車載機器に取り込んだのは同社が初だという。Hotspot LTE開発担当プロジェクトマネージャを務めるMarkus Dietz氏は、「プラグ&プレイという用語はよく使われるが、当社のHotspot LTEこそが真のプラグ&プレイを実現するものだ」と述べている。
Hotspot LTEでは、NFCに対応していない機器の無線LAN接続を確立するためのソリューションとして、WPS(Wi-Fi Protected Setup)も提供する。この機能を利用する場合、Hotspot LTEのConnect(接続)ボタンを1回押すだけで、3mの範囲内にあるモバイル機器との間で安全性の高い接続が実現されるという。
Hotspot LTEは、携帯電話機向けのドッキングステーションを備えるBMWグループの車種において最適な機能を実現するという。ドッキングステーションは、電源を供給し、最適な受信性能を発揮するための役割を果たす。Hotspot LTEをBMWのドッキングステーションに取り付けることで、車載アンテナを利用したインターネット接続が可能になる。車に使用されているのが色つきのガラスである場合などでも、受信に支障はない。また、車内の輻射ノイズに対する耐性も備えるという。
ドッキングステーションを搭載していない車種でも、Hotspot LTEを使用することは可能である。オプションのアダプタとミニUSBケーブルを使用して、Hotspot LTEをシガーライターのソケットに接続すれば、電源を確保することができる。すなわち、Hotspot LTEはBMWのすべての車種で使用可能だということである。
Hotspot LTEは、電池パックも内蔵している。そのため、車外でも利用できる。外部電源を接続していない状態でも、約4時間、インターネットへの接続を実現可能だという。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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