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SiCデバイスのダイボンディングはプラズマ金属接合が最適、実験装置が発売SiCデバイス パッケージング技術

ニッシンは、次世代パワー半導体であるSiCデバイスに最適な、プラズマ金属接合を用いたダイボンディングを行える実験装置「Micro Labo-PS3」を開発した。無加圧で、加熱時間や冷却時間を含めて20分以下という短時間で金属接合を実現できるという。

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ニッシンのプラズマ金属接合実験装置「Micro Labo-PS3」

 ニッシンは、次世代パワー半導体であるSiC(炭化ケイ素)デバイスに最適な、プラズマ金属接合を用いたダイボンディングを行える実験装置「Micro Labo-PS3」を開発した。2013年1月1日から販売を開始する。価格は1000万円。年間販売台数は30台を予定している。

 SiCデバイスは、200℃以上の高温になっても動作可能という特徴を持つ。このため、はんだを使った従来のダイボンディングでは接合を維持できないという問題がある。そこで注目されているのが、銀や銅などの金属粒子を使った金属接合技術である。通常は融点が1000℃を超えるこれらの金属は、微細な粒子状態では融点が下がり、比較的低い温度で融着接合する。その後は、300℃以上という高温になっても安定した接合性能を維持できるのだ。また、熱伝導率がはんだ材料の10倍以上に達するため、より高い放熱性能が得られるという期待もある。

ニッシンのプラズマ金属接合実験装置「Micro Labo-PS3」
ニッシンのプラズマ金属接合実験装置「Micro Labo-PS3」

 Micro Labo-PS3は、ニッシンが開発したプリント基板向けプラズマ焼結技術をベースに、加圧することなく、加熱時間や冷却時間を含めて20分以下という短時間で金属接合を実現できる装置である。具体的には、開発済みのプラズマ焼結実験装置「Micro Labo-PS」に、プラズマ調整機構と急速冷却機能を追加した。さらに、プラズマ金属接合用に開発した専用のペーストではなく、加熱金属接合用に用いられている既存の銀粒子ペーストが使用できることも特徴となっている。ニッシンは、「量産規模に装置をスケールアップし、搬送システムも装備した製品を開発する予定もある。この量産装置の場合、処理時間を20分よりもさらに短縮できる」としている。

 Micro Labo-PS3の寸法は、幅725×奥行き530×高さ1600mmで、重量は165kg。設置面積が0.4m2とコンパクトで、電力とガス配管をつなぐだけですぐに稼働させられるという。サンプルサイズは、120×100mmまで。

 現在実用化されている、銀粒子ペーストを使った金属接合プロセスは、加圧しながら最高350℃程度まで加熱する上に1時間以上を要する。また、こういったプロセスを経ると、小型・薄型化したSiCデバイスが破損してしまい、最終的な歩留まりが低下するという問題もあるという。

 なお、Micro Labo-PS3は、「第14回半導体パッケージング技術展」(2013年1月16〜18日、東京ビッグサイト)で公開される予定である。

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