ソーラー発電に衛星通信! 災害時に役立つ情報端末「街角情報ステーション」:TRONSHOW2013
2012年12月12〜14日に開催された「TRONSHOW2013」の「ユビキタス・コンピューティング展」において、ユーシーテクノロジは災害時に役立つ「街角情報ステーション」の展示デモを披露した。
「TRONSHOW2013」(開催:2012年12月12〜14日)の「ユビキタス・コンピューティング展」において、ユーシーテクノロジは災害時に役立つ「街角情報ステーション」の展示デモを行っていた。
街角情報ステーションとは、災害発生時に地上の通信インフラが寸断された状況でも、衛星通信を利用してインターネット接続を維持し、被災者の安否情報の登録や、周辺の災害状況・避難場所・交通状況などの情報提供が行える情報端末である。YRPユビキタス・ネットワーキング研究所のコンセプトを、ユーシーテクノロジが装置として開発したもの。衛星通信に関しては、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が保有する通信衛星を利用する。11月末に、新宿駅西口 小田急ハルク前(カリヨン橋)で行われた実証実験(協力:東京都)では、JAXAの技術試験衛星「きく8号」を利用した衛星通信の実験が行われたそうだ。
駅前や公園など、災害発生時に多くの人が集まる場所に設置することを想定しており、Wi-Fiのアクセスポイントとして機能する。災害の影響などで携帯電話網が寸断された状態でも、街角情報ステーションが提供するWi-Fiのアクセスポイントに接続すれば、衛星通信を介して、管理用サーバとの通信を確立し、各種情報にアクセスできる。また、スマートフォンやタブレット型端末などの機器を所有していない状態でも、備え付けのディスプレイとスピーカーから各種情報を視聴することが可能だ。当然、電力が供給されていない状態でも稼働できるようソーラー発電+蓄電池を備えている。「内蔵の蓄電池の電力を使用しながら、太陽光で電力を蓄えることで、2〜3日は稼働できるようにしたい」(説明員)とのこと。
街角情報ステーションには、1台ごとに場所を一意に識別するためのIDである「ucode」が付与されているため、そのucodeを利用して、いつ、誰がどこの場所にいたかなどの履歴を管理することもできる。
安否情報の登録・確認には、運転免許証、パスポート、Suica、PASMOなど一般に広く普及している既存のICカードを利用。街角情報ステーションには、これら複数種類のカード情報を読み取れるリーダー(読取装置)が内蔵されており、事前に、利用者情報とカードをひも付けてユーザー登録しておくことで、災害時にそのカードをかざすだけで、安否登録や家族の安否情報の確認を行うことができる。
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