NEDOの「予測」を8年も早く達成、東芝の住宅用太陽電池:スマートグリッド(2/2 ページ)
東芝がモジュール変換効率20.1%の住宅向け太陽電池の販売を開始する。今後、年間100MW以上を販売していく見込みだ。
SunPowerの太陽電池を使用
東芝は、今回の太陽電池モジュールの供給を米SunPowerから受けている。SunPowerの「E20/250NE」を用いた。
SunPowerは1985年創立の単結晶太陽電池に特化した企業*2)であり、2010年に東芝と提携関係を結び、2012年12月4日には提携関係を2018年まで延長した。今後、変換効率が最も高い太陽電池モジュールを中核に年間100MW以上の太陽電池モジュールを東芝に供給していくという*3)。なお、SunPowerは2010年4月以降、既に150MW以上の太陽電池モジュールを東芝に供給した。
*2) 2011年4月にフランスの石油・ガス企業であるTotalの傘下に入っている。
*3) 同社は世界各国に高変換効率品を供給している。例えばオーストラリア向けには変換効率20%(96セル、327W)のモジュールを供給している。
太陽電池関連の調査会社である資源総合システムによれば、SunPowerの2011年の太陽電池生産量は922MWであり、世界第8位であるという(第1位は中国Suntech Powerの2070MW)。
効率向上に取り組む
SunPowerは直径160mmの太陽電池セルの変換効率向上の取り組みを進めている。2012年3月には、第3世代の「Maxeon」量産セルのセル変換効率が第2世代品の22.4%から24%に高まったと発表している*4)(関連記事:シリコン太陽電池の世界記録、SunPowerが効率24%品の量産開始)。
逆バイアス絶縁破壊電圧の低減によって日陰やチリの影響をより小さくするとともに、高温環境でも効率が低下しないよう温度係数を最適化するなどして実現したという。なお、Maxeonは開口率を高めるため裏面電極を採用している。今回東芝に供給した太陽電池モジュールにもMaxeonセルを利用した。
*4) 単結晶Si太陽電池セルの変換効率の世界記録は25%。米University of New South WalesがPERL(Passivated Emitter Rear Locally-diffused)太陽電池セルを用いて1999年に達成した。ただし、セル面積は4cm2と小さい。
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