NECがISO26262サービスを拡充、2015年までに新規顧客を50社獲得へ:ISO26262
NECは、2009年から手掛けている自動車向け機能安全規格ISO 26262のコンサルティングサービスを拡充する。サービス拡充によって2015年までに新規顧客を50社増やす方針だ。
NECは2012年11月6日、2009年から手掛けている自動車向け機能安全規格ISO 26262のコンサルティングサービスを拡充すると発表した。現在まで20社以上が同社の顧客となっているが、サービス拡充によって2015年までに新規顧客を50社増やしたい考え。
拡充後のコンサルティングサービスは、「ISO 26262プロセス構築」、「ISO 26262設計支援」、「ALM導入支援」の3つに分かれている。まず、ISO 26262プロセス構築は、ISO 26262への取り組みを開始した、もしくは開始した直後の段階の企業向けのコンサルティングサービスである。NECのこれまでのコンサルティング経験に基づき、ISO 26262に対応するために必要な開発業務、開発遂行手順の留意点、勘所をまとめ、成果物テンプレートとしてコンサルティングとともに提供する。顧客企業それぞれの特性を踏まえ、コンサルタントによるテンプレートのカスタマイズも行う。短期間で、ISO 26262に対する規格の理解と、ISO 26262を適用した開発プロセスの立ち上げが可能だという。価格は500万円から。
次に、ISO 26262設計支援は、ISO 26262を実際に製品の開発プロジェクトに適用しようとしている、もしくは既に適用している企業向けのコンサルティングサービスだ。各企業が有する現状の設計資産や設計方針を踏まえて、ISO 26262が求める特性や設計基準に合致するように、設計内容に踏み込んだレベルの改善提案を行う。ISO 26262対応した実製品の開発を短期間に実現するとともに、安全設計に関する実践的なノウハウの拡充や製品開発コストの最適化に貢献できるという。価格は個別見積もりとなっている。
最後のALM導入支援は、ISO 26262の適用を組織全体に拡大展開していく、もしくは既に展開している企業向けのコンサルティングサービスとなる。ISO 26262では、自動車開発に関連する膨大な情報を漏れなく管理するとともに、その内容を第三者に対していつでも説明できるようにしておく必要がある。そのためのツールとして注目されているのが、ALM(Application Lifecycle Management)である。NECは、自動車業界向けに多数のシステムを導入した実績を有しており、ISO 26262対応で必須とされるALMの導入についても、各企業の特性や現状保有するITシステムを踏まえた、最適な環境構築の提案と実装の支援が可能だという。価格は個別見積り。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「機能安全」の導入で何が変わるのか?
自動車向けの機能安全規格ISO 26262の策定作業が最終段階に入った。この規格では、機能安全を実現し、それを証明するために必要となる開発プロセスが定められる。では、その新たな開発プロセスは、従来の開発プロセスとどのように異なり、それを適用する際にはどのようなことが課題になるのだろうか。本稿ではまずこの点を明らかにする。加えて、機能安全を実現する上でポイントとなるマイコンについて、各メーカーの取り組みの様子を紹介する。 - プロセス改善あっての機能安全、ISO 26262はツールにすぎないことを理解すべし
MONOistオートモーティブフォーラム主催のセミナー「まだ間に合う! ISO26262に準拠せよ 〜プロセス改善から始める機能安全対応〜」の基調講演に、ISO 26262や機能安全規格について詳しい知見を有する、日本自動車研究所の小谷田一詞氏と、東京海洋大学大学院教授の佐藤吉信氏が登壇した。本稿では、小谷田氏と佐藤氏の講演を中心に、同セミナーのリポートをお送りする。