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ダウンサイジング過給の「N-ONE Tourer」、競合の軽ターボを上回るトルク性能エコカー技術(2/2 ページ)

ホンダの軽自動車「Nシリーズ」の第3弾「N-ONE」のターボチャージャ搭載車種である「N-ONE Tourer」は、「ダウンサイジング過給」を取り入れている。競合車種となるスズキの「ワゴンR スティングレー」、ダイハツ工業の「ムーヴ カスタム」と比較した。

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競合2車種と比較

 それでは、N-ONE Tourerと、競合車種となるスズキの「ワゴンR スティングレー」のターボ搭載車種「T」、ダイハツ工業の「ムーヴ カスタム」のターボ搭載車種「RS」を比較してみよう。表1は、上記の3つの車両について、エンジンの最高出力、最大トルク、燃費、アイドルストップ装備の有無、横滑り防止装置(ESC)の有無、車両重量、価格を比較した結果である。


左の写真がスズキの「ワゴンR スティングレー」、右の写真がダイハツの「ムーヴ カスタム」である。(クリックで拡大) 出典:スズキ、ダイハツ工業

車両名称 N-ONE Tourer ワゴンR スティングレー ムーヴ カスタム
エンジン最高出力 47kW/6000rpm 47kW/6000rpm 47kW/6400rpm
エンジン最大トルク 104Nm/2600rpm 95Nm/3000rpm 92Nm/4000rpm
JC08モード燃費 23.2km/l 26.8km/l 24.2km/l
アイドルストップ機能の有無
ESCの有無 標準装備 メーカーオプション
車両重量 860kg 820kg 850kg
価格 123万円 149万6250円 149万円
表1 「N-ONE Tourer」と競合2車種との比較

 エンジンの最高出力は、軽自動車の排気量制限もあってか、ほとんど変わらない。しかし最大トルクは、N-ONE Tourerが104Nmと競合2車種よりも10%程度大きい。2600回転という低い回転数で最大トルクに達する点でも有利だ。N-ONE Tourerは、市街地走行で多用されるアクセルペダル中間開度の加速度特性が排気量1.5lクラスの小型車に匹敵するという。

 JC08モード燃費は、ワゴンR スティングレーが圧倒している。減速エネルギー回生システム「ENE-CHARGE」や、アイドルストップ機能によりエンジンが停止している間もエアコンを使用できる「ECO-COOL」を搭載しているためだ。N-ONE Tourerは、ターボチャージャ非搭載のN-ONEでは標準装備されているアイドルストップ機能を持たないため、競合2車種よりも燃費は劣っている。

 N-ONE Tourerだけでなく、ホンダのNシリーズは全車種でESCを標準装備している。これは、2014年10月から施行されるESC装着義務化の法令に先行対応するためだ。交通事故被害を減らす上で、ESCの効果を極めて大きいといわれている。メーカーオプション対応もしくは非搭載の競合2車種と比べて、安全性能は高い。

 車両を購入する上で最も考慮される価格は、N-ONE Tourerの123万円に対して、競合2車種は149万円台と、26万円もの差がついた。これは、競合2車種が標準装備しているスポイラーや、ターボチャージャ非搭載車種よりも大きなインチアップタイヤなどを、N-ONE Tourerはオプション設定にしているためだ。スポイラーなどの「Premium専用エクステリア」を装備する、「N-ONE Premium Tourer」の価格は144万円となり、競合2車種とほぼ変わらない。

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