安川電機、ロボットの自律性を支援する3次元形状計測ユニット「MotoEye-3D」を発売:FAニュース/作業工程の効率化
安川電機は、同社の産業用ロボット「MOTOMAN(モートマン)」向けのオプションとして、3次元形状計測ユニット「MotoEye-3D」を開発し、11月1日より販売を開始する。
安川電機は2012年10月29日、同社の産業用ロボット「MOTOMAN(モートマン)」向けのオプションとして、3次元形状計測ユニット「MotoEye-3D」を開発し、11月1日より販売を開始すると発表した(オープン価格)。
従来の搬送・組み立てなどの自動化設備では、あらかじめワーク(搬送・組み立ての対象物)を所定の位置・方向にそろえておかなければならいことが多く、持ち込まれたワークをセットする事前の段取りが必要だった。
MotoEye-3Dは、こうした事前の段取りを省き、無作為にバラ積みされた数種類のワークをロボットにより正確に取り出すことを目的に開発された3次元形状計測ユニットである。MotoEye-3Dを用いることで、事前段取り自体の自動化や、事前段取りなしに搬送・組み立てを直接行うことが可能となり、作業工程の効率化が図れるという。
3次元形状計測ユニット「MotoEye-3D」。レーザー発振器および画像解析処理基板を内蔵しながらも、小型(237×137×202mm)・軽量(3.5kg)である。防塵・防水(IP54)適合で、配線は電源と通信線のみの省配線を実現している (※出典:安川電機)
MotoEye-3Dは、バラ積みされた数種類のワークを、外乱光の影響が受けにくく、調整が容易なレーザースリット光でスキャンし、その反射光を高速CMOSセンサーで読み取り、三角測量の原理を用いて3次元形状を計測する。本体内に高速画像処理チップを搭載しており、広範囲の形状情報を3秒以下で計測できるという。計測は、最大で約1000mm四方の範囲を±2.0mmの精度で行え、さらに計測範囲を250mm四方に狭めることで±0.5mmの精度が得られる。この計測データを基に、ワークの重なりや姿勢などを認識し、ロボットによる最適アプローチルートを自動生成することで、自動化を実現する。
同社は、ボルト、ナット、パイプ、プレス部品などの小物部品の仕分けおよびハンドリング用途を主なターゲットに、年間100セットの販売計画を掲げる。
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