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37万台のiPhone 5に相当する電池をイタリアへ、NECが受注スマートグリッド 二次電池(1/2 ページ)

イタリアの太陽光発電システムの累積導入量はドイツに次いで世界第2位である。NECはイタリアの電力会社と共同で、太陽光の出力変動を大容量二次電池を用いて吸収する実証実験を開始する。

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カラブリアの街並

 NECは2012年10月18日、欧州最大クラスの蓄電システムをイタリア企業から受注したと発表した。出力2MW、容量2MWhという巨大なシステムだ(関連記事「国内最大級の蓄電システム、三菱重工がリチウムイオン電池で実現」)。

 発注したのはイタリアの大手電力会社ENEL SpAの関連会社であるENEL Distribuzione*1)。今回の蓄電システムは次世代スマートグリッドに向けた実証実験に使われる(図1)。

*1) NECとENEL Distribuzioneは2011年4月に次世代スマートグリッドシステムの共同開発に合意したと発表している。両社共同で蓄電システムのソリューション開発に取り組むとしていた。



図1 NECのエネルギー関連の世界戦略 今回のイタリアでの取り組みは、欧州で狙う「EV、蓄電、EVインフラ」のうち、蓄電に特化したものだ。出典:NEC

 実証実験では、再生可能エネルギーの出力変動吸収を試みる。風力発電や太陽光発電は気象の影響を受けるため、出力が変動する。これを蓄電システムによって吸収し、電力品質を安定化させることが目的だ。

 NECは2012年7月にエネルギー事業の戦略を発表しており、スマートエネルギー事業を同社の第4の柱に育てていく方針を明らかにした(関連記事:「電池をてこに勝ち残る、NECのエネルギー事業」)。経済産業省が委託した横浜スマートシティプロジェクト(YSCP、関連記事)において、容量250kWhと50kWhの大型蓄電システムを既に導入している(図2)。

 「今回、受注が決まった蓄電システムは、YSCPに設置したシステムのスケールアップ版だ。NECが相模原で製造した薄板状のリチウムポリマー二次電池を多数組み合わせたものである」(NEC)。


図2 大型蓄電システムの実証実験 YSCPでは大型蓄電システムをBEMS(Building Energy Management System:ビル内電力管理システム)とSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition:監視制御システム)用途で設置した。イタリアの実証実験ではSCADAと似た再生可能エネルギーの出力変動調整に大型蓄電システムを利用する。出典:NEC

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