生産現場の異常を検知、品質管理に役立つ「C管理図」を使う:実践! IE:現場視点の品質管理(15)(3/4 ページ)
生産工程の解析や安定した状態にあるかどうかをチェックするために役立つ「QC七つ道具」。そのうちの1つ、「管理図」は日々の品質のばらつきが異常な原因によるものなのか、そうでないかを判断するために役立ちます。今回は、管理図の一種「C管理図」を取り上げます。
(2)点が上昇傾向または下降傾向にあるとき
管理図に打点した点が、徐々に上昇傾向(または下降傾向)にあるときや、管理限界線に接近して現れるときも原因究明の必要があります(図4)。
- 長さが5の連では、これからの点の傾向に注意が必要である。
- 長さが6の連では、アクションの準備を整えておくこと。
- 長さが7の連では、原因究明と対策などのアクションを行う。
(3)点が傾向を持つとき
長さの長い上昇(または下降)の傾向があるときは、連も同時に出現してきます。前項の(2)にもあるように、連の長さは短くても長さが7の傾向が現れたときは、工程は管理状態にないと判断します。
管理図活用上の注意
最後に、管理図を運用する際の注意点について説明します。
(1)品質特性の選択
管理項目の重要度や、標準の確立状況、作業の変動性、工程能力の関係などによって品質特性を決定します。品質特性の選択は、製造担当、生産技術、検査(品質保証)などの部門が担当します。
(2)管理図の様式
(a)管理図の目盛り
管理図の目盛りの取り方は、分かりやすいことが重要です。X−R管理図では、R管理図の管理限界を記入可能な限り大きく取り、原則としてX管理図とR管理図は、同じ目盛りにします。
(b)打点数と管理図の枚数
管理図は、打点の切れ目が多くなると、異常の検定が困難になります。そこで、次のような基準によって図面の枚数を決定します。管理図の様式選定は、状況に合わせて製造部門が担当します。
- 1カ月の打点が平均して10点以上のもの……月当たり1枚を使用する。
- 1カ月の打点が5〜9点程度のもの……3カ月当たり1枚を使用する。
- 週に1回打点するもの、または1カ月の打点が4点以下のもの……6カ月当たり1枚を使用する。
(3)管理図への品質特性値の打点者
管理図に打点する時点は、データが得られたときです。できるだけ早く書き入れることが大切です。品質特性値の打点は、製造部門が担当します。
(4)先月実績の度数分布の記入
度数分布図の記入欄には、必ず、先月分の度数分布図を赤線で記入しておきます。今月の度数分布は、日々、打点するたびに、点で記入していきます。このとき、先月の度数分布と今月の分布を比較して、工程の品質推移を監視していかなくてはなりません。データの打点を行う製造部門が担当します。
(5)異常の発生に対するアクション
管理図の打点が管理限界外にあったり、点の並び方が異常だと認められた場合、原則として製造部門の現場リーダーが、その原因、処置方法や対策を検討し、その結果を所属上長(係長、課長など)と生産技術部門の担当者に報告します。従って、異常の発生に対するアクションの担当は、製造部門と担当の生産技術部門となります。
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