赤外線で手の動きを検知、パイオニアがジェスチャー操作可能な「楽ナビ」を発売:CEATEC 2012(1/2 ページ)
パイオニアは、普及価格帯の市販カーナビゲーションシステム「楽ナビ」の新製品に、手を近づけたり、横に振ったりする動作によって、よく使う機能を操作できる「エアージェスチャー」を搭載した。
パイオニアは2012年10月2日、「CEATEC JAPAN 2012」(幕張メッセ)会場で記者会見を開き、普及価格帯の市販カーナビゲーションシステム(以下、カーナビ)「楽ナビ」の新製品を発表した。ドライバーのカーナビ操作の負荷を軽減するために搭載した、手を近づけたり、横に振ったりする動作によって、よく使う機能を操作できる「エアージェスチャー」が最大の特徴である。エアージェスチャー搭載モデルの市場想定価格は、車両に組み込む2DINタイプで11万5000〜12万5000円、ポータブルタイプで5万5000〜8万円。
エアージェスチャーは、運転中のドライバーの意識がカーナビの操作に集中しないように、カーナビの画面に手を近付けたり、画面の前で手を左右に振ったりするだけで、主要な動作を行えるように開発された。
まず、地図を表示しているカーナビの画面に手を近付けると、「お出かけランチャー」と「チェックウィンドウ」が表示される。お出かけランチャーが、画面の下に出てくるメニューバーで、「よく行く場所」、自宅、渋滞情報、再生中の楽曲の送り/戻しなどを選択できる。チェックウィンドウは、カーナビ画面を表示中には再生中の楽曲などのAV情報を、AV画面の表示中にはカーナビ情報を表示する。
次に、画面の前で手を左右に振ると、カーナビ画面/AV画面の切り替えや、AV画面でのトラックのアップ/ダウン、カーナビ画面の地図の縮尺変更を行える。手を振ることで行える機能は、あらかじめ設定される約10種類の機能からユーザーが自由に選択できる。
赤外線センサーでジェスチャーを認識
エアージェスチャーにおける手の動きは、カーナビ画面の下部に組み込んであるセンサーモジュールによって認識している。センサーモジュールは、左端と右端に設置した赤外線を出力するユニットと、モジュールの中央部に設置してある、画面の前にかざした手によって反射される赤外線を検知するユニットから構成されている。
このセンサーモジュールによって、カ―ナビ画面の前約15cmに手を近付けたり、手を左右に振ったりというジェスチャーを認識している。
エアージェスチャーによる誤動作をなくすために、手を左右に振る動きが小さいときには反応しない。「手の動きが画面の上を横切るくらい、画面の片方の端部から、もう一方の端部まで手を振らないと操作できないような設定にした」(同社の説明員)という。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.