組み込みの変化点を見極める6つの成長分野――ET 2012開催概要:Embedded Technology 2012
国内最大級の組み込み関連イベント「組込み総合技術展 Embedded Technology 2012」の開催概要説明会が都内で実施。組み込みの新しい変化点を見極めるためにET 2012でフォーカスされる6つのターゲットテーマとは?
2012年8月30日、国内最大級の組み込み関連イベント「組込み総合技術展 Embedded Technology 2012(ET 2012)」(主催:一般社団法人 組込みシステム技術協会)の開催概要説明会が東京都内で行われた。
今年のET 2012は2012年11月14〜16日の3日間の会期で、パシフィコ横浜を会場に催される。出展社数は380社(780小間)、来場者数は2万4000人を予定しており「展示会規模は昨年並になる」(主催者)予定だ。
ET 2012実行委員会の委員長を務める山田敏行氏(横河ディジタルコンピュータ)は「組み込みは新しい一歩を踏み出そうとしている。これまで組み込み機器は個別の進化をしてきたが、ネットワーク技術の発展により、さまざまな機器同士がつながる世界になった。そしてネットワーク化によって新しいライフスタイルやサービスが生まれている。半導体やハード主体の組み込み技術でリードしてきた日本だが、今後の差別化のキーワードはソフトウェア。このような新しい変化点に、組み込み技術はどういう方向に進むのか。ET 2012は、その方向性を指し示すことができる展示会にしたい」と、今年のETの狙いを語る。
変化点を見極めるために6つの成長分野を提案
組み込みの新しい変化点を見極めるためのターゲットテーマとして、山田氏は「スマートエネルギー」「オートモーティブ/交通システム」「モバイル/クラウド」「スマートヘルスケア」「ロボティクス」の6つを挙げる。ET 2012では、今後組み込み分野と関連(融合)し成長すると思われるこの6つの成長分野を明示したカタチで展示やカンファレンスを展開するという。
「これら成長分野の基本になるのは組み込み技術。そしてそれら個々の組み込み技術のトップランナーは日本。今後は技術オンリーから、サービスを意識したものへと変化していかなくてはいけない。グローバル化も不可欠で、特にアジアに対しては安い労働力を求めるだけでなく、アジアのお客さまを意識した組み込み技術が必要になってくる。グローバル化、ネットワーク化、そして新しいライフスタイルが創出されているこの変化点で、日本がもっと強くなって世界で競争できるよう組み込みの方向性を指し示していければと考えている」(山田氏)。
ET名物「充実したカンファレンス」も健在
カンファレンスが充実しているのがETの特徴だ。今回は130セッション以上のカンファレンスが予定されている。
まず基調講演としてパナソニック スマートソリューション開発センター長の梶本一夫氏が「“Internet of Things”と進化するスマート家電」と題して講演するほか、トヨタ自動車 第1電子開発部 部長の山本圭司氏による「ツナガル技術と進化するクルマ〜持続可能なモビリティ社会の実現に向けて〜」、クアルコムジャパン社長のクリフォード・フィツキ氏による「ワイヤレスヘルスケアにおけるイノベーション」が予定されている。
また招待講演には、インテル インテリジェント・システム事業部セグメント&ブロード・マーケット事業本部長のジム・ロビンソン氏やマイクロソフト OEMエンベデッド本部 ジェネラルマネージャーのパスカル・マーチン氏が登壇するほか、経済産業省 商務情報政策局情報処理振興課 課長の江口純一氏、東京大学 大学院情報学環学際情報学府 教授の坂村健氏など、官学のキーパーソンによる講演も予定されている。
昨年のET2011では、ET開催25周年の記念特別企画ということで有料の技術セッションを無料で提供し、それが来場者促進に大きく貢献。セッションを聴講した来場者からも好評だったため、今年の技術セッションも無料で提供することが事務局からアナウンスされた。
また、新規分野を意識したカンファレンスとして、スマートアグリトラック、M2Mトラック、スマートコミュニティセッション、スマートエネルギートラック、ロボットセッションなどが用意されている。
今年もアイティメディアでは、MONOist、EE Times Japan、EDN Japanによる「Embedded Technology 2012特集」を開設し、開幕前の事前情報から当日の会場リポートなどET 2012の最新情報をお届けする予定だ(ET 2012特集はこちら)。
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