三角リブは低コスト化設計の“調味料”:甚さんの「バンバン板金設計でキャリアアップ」(3)(1/3 ページ)
今回は、板金部品の安定性や剛性を確保しつつ低コスト化する、オイシイ設計テクニック「三角リブ」が登場する。
当連載の登場人物
根川 甚八(ねがわ じんぱち)
根川製作所 代表取締役社長。団塊世代の大田区系オヤジ技術屋。通称、甚さん
国木田良太(くにきだ りょうた)
ADO製作所 PC事業部 設計2課 勤務。80年代生まれのイマドキな若者。機構設計者。通称、良君
*編集部注:本記事はフィクションです。実在の人物団体などとは一切関係ありません。
どんどん先へ進むぜぃ! 図1を見ろ! 木造家屋に見られる柱だ。耐震構造を満たすためによぉ、T字形やL字形の板金で隣り合う柱を連結させて補強してんだぜぃ。
知ってますぅ。うちの近所のDIY店で売っています。
このL字板金に大きな曲げモーメントが掛かっちまってよぉ、隅にクラックがヘイっちまった。前回は、こんときの対策を考えたよなぁ。あん?
5つの対策について解説してくれましたね。
実は、おもしれぇ対策が、さらにもう1つあるぜぃ。そうだオメェ、宿題にしておいた「円を使ったクラック対策」、考えてきたか?
甚さん、モチのロンです。円は、断面急変要素にならないんですよね! 僕は、富士山麓大学の院卒、しかも首席の卒業生ですから、そんなの、お茶の子さいさいなんですよねー。
オメェ、そのせりふはやめとけって……。何度、言ったら分かるんだぁ、あん? 「院卒」で、しかも「首席」とは「実務能力ゼロ!」と自ら宣言しているようなもんだぜぃ。そうだろ? 「図面読めねぇ、描けねぇの院卒」「役立たずの院卒」「受け身のCAE職は、給料4分の1」。
今は違いますよ! 図面は読めるようになりましたし(描けないけど)! 仕事も自分から取りにいっていますし! だから、いまこそ正々堂々と言うのです、「富士山麓大学の院卒、しかも首席卒業生である」と!
あーん!? 言ったなー? オレサマから見たら、大して進歩しちゃいないぜ? まだまだよう。
うーん、図星なんですけど……。
そんじゃ、そんなオメェのクラック対策を言ってみやがれ! お得意のCAEを駆使してもいいぜぃ。
ガッテン承知! ぬぬぬ、これだ!!(図2)
断面急変探索スキャン、行きますー(図3)。
良く〜ん! すごいじゃないかぁ! いやはや、さすが富士山麓大学の院卒、しかも首席卒業! さすがCAEの専門家だぁ〜! いんや〜まいったまいった、感動したぜぃ! あっ、涙出てきた!
甚さん! アザースッ!(うわっ! 今度は持ち上げられまくって、ちょっと気持ち悪いぞっ!)
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