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“星座のような”PLMを展開するワールプール、終わりなき旅へPlanetPTC Live 2012 〜米フロリダ州オーランド〜(2/3 ページ)

PTCは、米フロリダ州オーランドにおいてユーザーイベント「PlanetPTC Live 2012」を開催。同イベントで、米国家電メーカー ワールプールが自社のPLM導入について語った。

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より戦略的で積極的な市場展開を目指すワールプール

 今回のイベントでPTCのユーザー事例として積極的に紹介されたのは、ワールプールが展開する「Constellation Program」だ。キーノートにも登壇したワールプール CIO フレッド・ベリオ氏は、次のように語った。

 「“Constellation”とは『星座や思想・概念の集団』というような意味です。まるで星と星をつなぐ星座のように、世界中に散らばる全ての拠点におけるエンジニアリング、マニファクチャリング、サプライチェーン、セールス、サービスなどを1つのPLMシステムに結び付けていきます。それがConstellation Programです」(ベリオ氏)

 PTC製品によって実現する共通のPLMシステムを利用することで、ワールプールではグローバルレベルで情報や意識を共有し、戦略的な意思決定を可能にすることを目指している。さらに、生産の無駄を省き、地域や組織の違いにとららわれないコラボレーション体制を構築することで、企業の競争力を強められる。


ワールプールが展開するConstellation Programについての講演

 2006年に同社が開始したConstellation Programは、これまで共通の基盤を整備するため、部品のクラス分け、グローバルでの部品番号統一、マスターデータの整理を実施した。2012年は設計BOM、製造BOM、サービスBOMの連携に取り組んでいる。さらに今後は各部門の統合や、環境規制への対応などにも取り組んでいく予定であるという。

 ワールプールではこのプロジェクトに巨額の投資をしており、世界レベルでもこれほど大規模な展開は珍しいだろう。もちろん、これまでバラバラだった部品番号の統一や各種BOMの統合は、決して一朝一夕で解決できる問題ではない。多くの企業が「いつかはやらなければならない」と考えているマスターデータの統合であるが、その苦労はワールプールにおいても例外ではない。その苦労についてベリオ氏は「終わることのない旅のようだ」と語った。

 中国などのアジア市場をはじめ、グローバルな市場に戦略的な製品を投入していくという経営戦略実現のため、ワールプールは困難な旅に出たのである。


ワールプール CIO フレッド・ベリオ氏

 PTC製品を選択した理由について、ワールプールのConstellation Program担当PMO ジェフリー・バーク氏に尋ねてみた。

 「PLMの導入に当たっては、幾つかの選択肢があったが、最終的にはCADとの親和性の高さからPTCを選択した」(バーク氏)。

 ワールプールは、以前よりPTCの「Pro/ENGINEER」(現Creo)のユーザーだった。既存CADシステムとの親和性を重視したということは、ヘプルマン氏が語るエンジニアリングを中心とした新たな生産体制をワールプールも目指しているといえるだろう。

 ワールプールのConstellation Programは、まだ取り組み中のプロジェクトであることから、その効果を数値で示すことは難しい。しかし、離れた拠点間でCADデータの連携がスムーズになるなど、既に目に見える形で、少しずつだが効果が表れはじめているということだ。


ワールプール Constellation Program担当PMO ジェフリー・バーク氏

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