ダイムラーの新スタイルカーシェアリング「car2go」、日本展開に挑む:乗り捨てOK、課金は分単位(2/2 ページ)
ダイムラーは、乗り捨てOK、課金は分単位という、新スタイルのカーシェアリングサービス「car2go」を日本市場でも展開する方針だ。欧米と違って駐車スペースの確保が難しいなど立ち上げに向けた課題は多いものの、同社は日本市場に大きな可能性を感じている。
日本展開の課題
現在はドイツ、オランダ、フランス、オーストリア、英国、カナダ、米国の7カ国の都市部で展開されているcar2go。Becker氏は、「日本市場でもぜひcar2goを展開したい」と強い意欲を示した。
ただし日本市場での展開に向けた課題は多い。中でも最大の課題になるのが、カーシェアリング用のスマート・フォーツーを駐車する場所の確保とそのコストだ。例えば欧州の場合、都市部での路上駐車が認められていることが多い。car2goユーザーは、路上駐車されているcar2goのスマート・フォーツーを見つけて乗り込むという利用スタイルが基本になっている。路上駐車ができない都市でも、欧米はパーキングメーターなどを使うタイプの公営の駐車スペースが数多く存在している。car2goは、都市側と契約した上でこれらの公営駐車スペースを活用してサービス提供しているケースも多い。
一方、日本の場合、路上駐車は認められていない上に、公営駐車場の数も少ない。民間の駐車場を利用することも考えられるが、駐車費用のために利用料が高くなってしまう。利便性も下がってしまう可能性がある。Becker氏は、「今までとは異なるビジネスモデルの導入や、サービスを立ち上げる上での法的な問題の解決も必要になるだろう。しかし、日本市場での展開を始められるように、これらの課題を解決したい」と意気込む。
この他、car2goが、日本国内の他の交通手段と競合しないサービスであることも訴えた。「レンタカー、既存のカーシェアリング、鉄道などの公共交通機関、タクシーなどと共存できるサービス。実際に、カナダのバンクーバーでは、既存のカーシェアリングとcar2go、どちらも利用しているユーザーが多い。日本でも、都市郊外など中距離を移動する場合には既存のカーシェアリング、都市内部を自動車で移動する場合にはcar2goというすみ分けが可能だろう」(同氏)という。
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