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フォルクスワーゲン驚異のメカニズム、本社工場の秘密に迫る:CeBIT 2012 特別リポート(2/3 ページ)
「CeBIT」の開催地ハノーバーから、アウトバーンを使って自動車で1時間ほど走行すると、ドイツ最大の自動車メーカーであるフォルクスワーゲンとともに発展した都市・ウォルフスブルクに到着する。市街の中心部には、現在もフォルクスワーゲングループの本社ビルと5万人の工員が働く世界最大規模の自動車工場がある。「ゴルフ」などの主力車種を生産するこの最先端工場を見学する機会を得たのでリポートしよう。
ボディ工場
ボディやシャシー(プラットフォーム部)の組み立ては、手作業中心で行っていた1980年頃まではかなり過酷な職場だった。その後産業用ロボットの導入による自動化で職場環境は大幅に改善されたという。なお、産業用ロボットを導入する際に人員を削減しなかったため、労働組合からの反発などはないという。
左の写真は、ボディの組み立て工程の1つで、工員が手作業で行う工程である。右の写真は、ボディ側面部品のレーザー溶接工程。ロボットで自動化されており、部品の一方の面を処理が終わると、部品を180度回転させて反対側を処理する。
塗装工場
塗装工程はほとんどロボットにより自動化されている。1日当たり3000台の塗装を行えるという。塗装の前にボディにドア部品を取り付けてから、洗浄→化学コーティング→焼き付け→カラー塗装→クリア塗装の順に進んでいく。
ボディとドアを別々に塗装すると、最終的に組み上げた後に強い光の下などで見ると色が違って見えるという。なお、ドア部品は、組み立てラインに移る前にいったん取り外される。ボディ内部にダッシュボードなどのインテリア部品を装着してから、再度組み付けられる。
左の写真は、カラー塗装工程である。ロボットにより自動化されている。この工程では、1台当たり6〜7リットルの塗料を使用する。右の写真は、クリア塗装後の検査の様子。工員が目視で行っている。この工程に限らず、人間がロボットよりもうまくこなせる作業はまだ多くあるという。
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