インテルが提唱する「インテリジェント・システム」で実現できるもの:ESEC2012 スペシャル・プレビュー
インテルが提唱している「インテリジェント・システム」のことをご存じだろうか。その概念を理解しているつもりでも、実際にそれがどのような価値を生み出すものなのか、具体的に説明するのは難しい。そのヒントを、インテルは「第15回 組込みシステム開発技術展(ESEC2012)」で提示する。インテリジェント・システムにより得られる新しい価値、そのアウトプットを最新の展示デモで体感してほしい。
インテリジェント・システムが創り出すビジネスチャンスとそれを支えるIA
現在、スマートフォンやタブレット型端末、携帯型ゲーム機などに代表される通信機能を有した高性能デバイスが爆発的に普及し、PCと同じようにネットワークに接続され、Webサービスやクラウドサービスを利用することが当たり前になってきている。こうしたネットワークに接続されるデバイス、「コネクテッド・デバイス」は今こうしている間にも増え続けている。インテルによると、2015年には150億台ものデバイスがネットワークに接続されるようになり、それに伴い取り扱われるデータ量が急増し、2020年には35兆Gバイトもの大量のデータがネットワーク上に流れるという。「ビッグデータ」時代の本格到来だ。
こうした情報量の増大を加速させる要因は、スマートフォンやタブレット型端末といったコンシューマ向けデバイスの普及だけではなく、“組み込みデバイスの進化”も大きく影響している。
これまでの組み込みデバイスは限られたリソースの中、それ“単体”で特定の機能を実現するのが当たり前であった。しかし、近年では、組み込みデバイスにおいても高機能化・高性能化、そして、ネットワーク化が急速に進み、デバイス同士の接続だけでなく、クラウドのようなネットワーク上のサービスにも接続できるようになり、活用の幅が広がりつつある。つまり、閉ざされた世界(組み込みデバイス単体)でしか利用されてこなかったセンサー情報などが、従来の枠組みを大きく越えて、新たな価値を創造する重要なデータの1つとして活用されようとしているのだ。このように、あらゆるモノがネットワークにつながる世界を「モノのインターネット(Internet of Things)」という。1つ1つの粒は小さくとも、われわれの生活の中に浸透しているあらゆる機器・装置から何らかのデータが常にネットワーク上に流れ出ていく。こうした動きは既に加速しつつあるのだ。
これまでインテルは、コネクテッド・デバイスを進化させ、その原動力となるのが「インテル®・アーキテクチャー(以下、IA)」だと説いてきたわけだが、2011年後半から、さらにもう一歩踏み込んだ考え・概念を提唱している。それが「インテリジェント・システム(Intelligent System)」である。
インテリジェント・システムは、近い将来、ビジネスの現場・企業活動の中枢として重要な位置を占める概念だと捉えていいだろう。先に述べた通り、2020年には膨大なデータがネットワーク上に流れ出すわけだが、これからは、この無数のデータの中から“一体何が自分たちにとって重要・有用なデータなのか、それを的確に抽出して、分析・解析し、価値のあるデータに昇華させ、知識化してビジネスにつなげていく”必要があるのだ。インテル クラウドコンピューティング事業本部 エンベデッド・マーケティングの津乗学氏は、「単にデータをためるだけでは埋もれてしまいます。溢れ出る膨大なデータに埋もれてしまうのではなく、そこから価値のあるデータをきちんと抽出し、ビジネスに生かせるデータとして利用できるようにするための仕組みが必要です。それこそが『インテリジェント・システム』なのです」と説明する。インテルによると、データのインテリジェント化によるビジネス規模は1兆ドルにも及ぶという。これは非常に大きなビジネスチャンスだ。
ここまでの内容からも分かる通り、「インテリジェント・システム」の発展に欠かせないのが、コネクテッド・デバイスの進化であり、そこには高いネットワーク接続性・安全性と収集したデータを“知識”として処理するための高機能性が求められる。「『インテリジェント・システム』を支える優れたデバイスを開発するためのテクノロジーとして最適なもの、それがIAです」(津乗氏)。こうした一連の考え方というのは、インテルが目指すビジョンそのものであると同時に、あらゆるマーケットをけん引する最重要トレンドだといえる。
「Intelligence in. Amazing out.」に秘められた思い
ただ、「インテリジェント・システム」により、これまでにない新しい価値・ビジネスチャンスが手に入ると言われても、いまひとつピンとこない。実際、そう感じている読者も多いのではないだろうか。こうした疑問・悩みを払拭(ふっしょく)できる機会が間もなく訪れようとしている。
インテルは2012年5月9〜11日の3日間、東京ビッグサイトで開催される「第15回 組込みシステム開発技術展(以下、ESEC2012)」に出展。「インテリジェント・システム」によりもたらされる新たな価値を、実際に見て・触れて・体感できる最新の展示デモとして具現化し、それらを多数のパートナー企業とともに披露する(ブース番号[西9-1])。
ESEC2012でインテルが掲げるスローガンは「Intelligence in. Amazing out.」だ。「このスローガンが示す通り、今回のESEC2012では、『インテリジェント・システム』により得られる驚くべき価値・すばらしい価値、そのアウトプットとなる具体的なものを実際に披露する場にしたいと考えています。そして、情報・データだけでなく、デバイス、人、環境までもつなぎ合わせる『インテリジェント・システム』の実現において、IAの存在がなくてはならないものだということを来場者の皆さまにぜひ感じ取って頂きたいと思います」と、津乗氏は意気込みを語る。
ブース内では、スローガン「Intelligence in. Amazing out.」に則した3つ特設ゾーンが用意され、最新の展示・コンセプトデモが披露される。
ESEC2012のインテル・ブースの外観(イメージ) 「メディカル/ヘルスケア」「リテール」「M2M/ソーシャルインフラ」の3つの特設ゾーンは必見だ。なお、前回のESECでも大好評だったスタンプラリーも実施される。全てのスタンプを手に入れた方には、インテル特製の扇子と手ぬぐいがプレゼントされる!
その1つが「メディカル/ヘルスケア」ゾーンである。こちらでは、近年の健康管理ブームで注目されているヘルスケア機器による体験デモが行われる。展示会場では、特定施設などに設置されるような、IA搭載の「最先端ヘルスケア機器」が用意され、測定体験ができるそうだ。また、医療分野向けITシステムのコンセプトとして、「ベッドサイド・ターミナル」の展示デモが披露される予定だ。テレビやWebサイトの閲覧、電話やSNSによるコミュニケーション、電子カルテの表示などにも対応する、入院患者のための最先端システムである。
さらに、「リテール」ゾーンにも注目したい。米国の高級デパートで実際に試験導入されている「サイネージ&インタラクティブ KIOSK」の展示デモが行われる。デバイスメーカーだけではなく、店舗・ブランドとのコラボレーションによるサイネージの展開について詳しく知りたい方は必見だ。そして、小売店舗における販売支援を目的としたコンセプトデモとして、「バーチャル試着システム」の体験デモも行われる。この「リテール」ゾーンでは、デジタルサイネージを活用した次世代の店舗体験が満喫できそうだ。
そして、最後が「M2M/ソーシャルインフラ」ゾーンだ。今回のESEC2012の会場と同じ東京ビッグサイトの展示ホール西館で併設される「第1回 ワイヤレスM2M展」に関連する技術として、インテルが考えるM2Mソリューションを披露する。具体的には、「Intel M2M Reference Design」を活用したスマートビルディングをテーマにしたM2Mソリューションである。「ビル内で利用される温度センサー、照度センサー、セキュリティ装置、電源といったもの1つ1つにIAを入れていくのではなく、今回はこれらを束でまとめるゲートウェイのような装置とそのソリューションを、パートナー企業と協力して開発しました」(津乗氏)。なお、「M2M/ソーシャルインフラ」ゾーンでは、M2M技術を“クラシカルなゲーム形式”で体験・体感できる仕掛けも用意しているとのことだ。どのようなものなのかは実際にインテル・ブースに足を運んで頂き、ご自身の目で確認してもらいたい。
やはり見逃せない! 最新のCPU「第3世代 インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー(開発コード名:Ivy Bridge)」の最新デモ
IAのロードマップの観点でいうと、やはり注目の最新のCPU「第3世代 インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー(開発コード名:Ivy Bridge)」に関する展示デモは見逃せないだろう。ESEC2012では、パートナー企業による最新CPUボードなどの製品ショーケースだけではなく、「第3世代 インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー(開発コード名:Ivy Bridge)」の持つ高度なグラフィックス性能をいかんなく発揮したコンセプトデモも用意しているそうだ。「特殊なフィルムを採用したホログラム風の次世代サイネージ『ホログラム・ショーケース・サイネージ』をパートナー企業とともに開発・準備しています。最先端のデモに仕上がっているので実物を楽しみにしていてください」(津乗氏)。
この他にも、「開発コード名:Cedar Trail」の名で知られ、2011年末に登場した新型 インテル® Atom™ プロセッサー N2000番台/D2000番台と最新チップセットを搭載した組み込みボードなどの展示も行われる。
今回のESEC2012では、グループ企業のマカフィーを含む19社ものパートナー企業がインテル・ブースに集結し、前述の3つの特設ゾーンをぐるりと取り囲む形で出展する。例えば、岡谷エレクトロニクスは、デジタルサイネージ、産業用コンピュータ、POS/KIOSK端末などを展示し、ハードウェアのみならず、OSやキーとなるアプリケーションを含めた、開発工数を大幅に削減することが可能なソリューションを提案するという。また、東京エレクトロンデバイスは、インテル® Atom™ プロセッサー E600番台搭載の業界最小サイズ(65mm×58mm)の超小型CPUモジュール「CoreE600」を使用したホームゲートウェイ端末によるM2Mソリューションのデモを、そして、インテル® デスクトップ・ボードとインテル® ソリッドステート・ドライブを組み合わせたデジタルサイネージソリューションのデモも実施予定だ。さらに「今回は、『図研』『横河ディジタルコンピュータ』『山下システムズ』『ミッシュインターナショナル』『東芝パソコンシステム』の5社が新しいパートナーとして出展します。IAのエコシステムであれば、最新のCPUボード、BIOSなどだけではなく、表には見えてこない設計・開発ツール、セキュリティ関連のソリューションといったものまで、幅広くカバーできます」と津乗氏。
以上のように、ESEC2012のインテル・ブースは「Intelligence in. Amazing out.」のスローガンの下、メディカル/ヘルスケア、リテール、M2M/ソーシャルインフラと、「インテリジェント・システム」がもたらす効果を具体的にイメージしやすい内容となっている。
「組み込みエンジニアの方はもちろんのこと、IT系のエンジニアの方や『インテリジェント・システム』に興味を持っているカスタマーの方々にもインテル・ブースに来て頂きたいと考えています。インテル・ブースであれば、必ずや『インテリジェント・システム』に関するヒントや気付きを持ち帰って頂けるはずです。そして、インテルと一緒に新しいことにチャレンジしていきましょう」と、津乗氏は多くの来場者との交流に期待を寄せる。
最後に、繰り返しとなるが、ESEC2012の会期は2012年5月9〜11日。インテル・ブース(ブース番号[西9-1])は、東京ビッグサイト 展示ホール西館、入り口すぐだ。本稿で詳細を明かせなかった最先端のコンセプトデモの数々を、ぜひご自身の目で確認してもらいたい!
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提供:インテル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2012年5月16日