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GPSデータで海溝型巨大地震に伴う大津波の予測を支援、国土地理院:南海トラフ巨大地震に備えよ(2/2 ページ)
国土地理院は、日本全国1240箇所にある「電子基準点」で観測されたGPSデータのリアルタイム解析を行い、海溝型巨大地震発生時に生じる地殻変動量を即時に求めるシステムの試験運用を開始した。
精度よりもスピード
国土地理院と東北大学の同研究グループが開発しているのは、太平洋沿岸などにある電子基準点のGPSデータをリアルタイムで常時解析し、地震時の地殻変動量の概略を即時に求めるシステムである。2012年4月6日からは、国土地理院内でのメール配信を含む、プロトタイプシステムの試験運用を開始している。
従来の地震時の地殻変動情報の提供は、精度を高めるため、3時間以上かけて測定したデータを用いて解析しており、地震時の地殻変動量の算出には最低でも5時間ほどかかっていたという。実際、東日本大震災の発生時には、水平約5.3m、上下約1.2m(最大)の地殻変動を観測し、地盤沈下に伴う浸水への注意喚起に活用されたそうだ。しかし、このままの解析・算出スピードでは、津波予測の役には立たない。
今回開発を進めるシステムでは、1cm精度の変動量を5時間かけて算出していた従来の解析手法を、即時性を重視したもの(10cm精度の変動量を1分以内で算出(注2))に変更する。これにより、地震時の地殻変動の即時把握と断層モデルの即時推定を実現し、津波予測の高度化支援、地盤沈下地域の把握、避難の初動支援に貢献するとしている。
今後、試験運用を継続してシステムの検証を進めるとともに、マグニチュードの推定も可能となるよう震源断層モデルの推定を行う機能を追加し、気象庁の津波予測に貢献できるよう改良する計画だという。
※注2:電子基準点で地殻変動が生じてからの時間。
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