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SIM-Driveが走行距離351kmの小型EVを試作、大型車並みの車室容積を確保EVベンチャーの試作第2号車が完成(1/2 ページ)

EV(電気自動車)ベンチャーであるSIM-Driveの試作EV第2号車「SIM-WIL」は、満充電の状態からの走行距離で351km(JC08モード)を達成している。外形寸法は小型車と同等でありながら、大型車並みの車室容積を確保した。

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 EV(電気自動車)の技術開発ベンチャーであるSIM-Driveは2012年3月28日、2011年1月から約1年間かけて開発してきた試作EVの第2号車「SIM-WIL」を発表した。満充電の状態からの走行距離は、第1号車の「SIM-LEI」を上回る351km(JC08モード)を達成した。外形寸法が小型車(エンジン排気量が1.3〜1.5リットル)と同クラスとなるBセグメントでありながら、Eセグメントの大型車(エンジン排気量が3リットル以上)並みの車室容積を確保した。SIM-WILをベースにしたEVの量産化時期は2014年頃を目指している。また、スマートグリッドとの連携機能を備える第3号車の開発を開始することも発表した。

SIM-Driveの試作EVの第2号車「SIM-WIL」SIM-Driveの清水浩氏 左の写真は、SIM-Driveの試作EVの第2号車「SIM-WIL」の外観。右の写真はSIM-Driveの清水浩氏である。(クリックで拡大)

 SIM-Drive社長の清水浩氏は、「EVは走行距離が短いことが欠点だと言われてきた。第1号車のSIM-LEIは、EVがその欠点を克服できることを示すために、300km以上の走行距離の実現を目標に開発した。第2号車のSIM-WILの走行距離は、SIM-LEIを上回る351kmまで伸ばすことができた。また、小型化と軽量化を進めるとともに、車室空間を広げて居住性を向上し、自動車としての完成度をさらに高めた」と語る。

 なお、SIM-WILのWILはWith Innovation and Linkの略となっている。これは、「英語のwillと同音で未来のニュアンスを持つとともに、34の参加企業/機関の革新的な技術と連携、団結を意味している。加えて、震災からの復興を祈願して日本発の技術と絆を象徴させたいと考えて命名した」(清水氏)という。

 SIM-WILは、SIM-LEIと同様に、車輪の中に走行用モーターを組み込むインホイールモーターと、2次電池パックやインバータなどモーター以外の電動システムを車両の床下のフレーム部に組み込むコンポーネントビルトイン式フレームを採用したEVである。

 外形寸法は全長4150×全幅1715×全高1550mm。SIM-LEIと比べて全幅が115mm増えている。その一方で全長は550mm短くなった。これは、フロントオーバーハングを50mm増やし、リアオーバーハングを600mm短くしたことによる。全長は短くなったものの、車室容積はEセグメントクラスの車両と同等である。また、コンポーネントビルトイン式フレームの採用により車室の床面が平らなので、車室内における前後左右の移動が容易である。

「SIM-WIL」は「SIM-LEI」よりも全長が550mm短い車室の床面が平らなので、車室内における前後左右の移動が容易である 左の図では「SIM-WIL」と「SIM-LEI」の全長を比較している。フロントオーバーハングを50mm増やし、リアオーバーハングを600mm短くしたことで、全長が550mm短くなった。右の図では、平らな車室床面により、車室内における前後左右の移動が容易なことを示している。(クリックで拡大)
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