絶対に知っておきたい! Windows OSライセンスの話:スイッチ! to “Windows Embedded”
特定用途の組み込み機器向けWindows OSライセンスであれば、一般PCユーザー向けの「Windows XP」のように販売が終了してしまったOSでも新たにライセンスを購入し、製品にプリインストールして出荷・供給することができる。“長期安定供給”が求められる組み込み機器に最適なOSライセンス形態だ。
「スイッチ! to “Windows Embedded”」の巻
――ここは東京近郊にある海山テクノロジーズ。いつも元気なケイタさんが何やら難しい顔で悩んでいるようです。
ロングセラーのうちのデジタルサイネージ。先日、追加で100台の注文を受けたけど……。OSが『Windows XP』なんだよなー。XPはもう販売終了してしまっているし、どうやって100台分のOSを手に入れたらいいのやら。
いっそのこと『Windows 7』にアップグレードとも思ったけど、うちのサイネージ専用アプリはXPでの動作しか保証していないし……。やれやれ。
あら、ケイタくん。OSの入手のことで悩んでいるようだけど。
ひょっとして、特定用途の組み込み機器向けWindows OSライセンスのこと知らないの?
あっ、ミカさん。いらしてたんですね。
で、何ですか、その特定用途のライセンスって? うちはこれまでずっとDSP版パッケージを使ってシステムを構築してきましたけど……。
うふふ。特定用途の組み込み機器向けWindows OSライセンスというのは、前提として、“特定用途向け”という制限はあるんだけど、一般PCユーザー向けに提供されているWindowsと同じバイナリのOSを組み込み機器に導入して出荷・供給できる専用ライセンスなの。
一番のメリットは、何と言っても『長期供給』が可能なことよ。一般向けに販売が終了してしまったOSでもリリースから15年間はライセンスを購入して出荷できるの。だから、製品ライフサイクルの長い組み込み機器に最適なライセンスってことね!
つまり、XPもまだ新たに入手できるということですね!
そう。例えば『Windows XP Professional for Embedded Systems』の32bit版であれば、2016年12月31日までOSライセンスを入手できるわよ。
おぉ〜。これでボクの悩みもスッキリ解決です!!
それはよかった。他にも特定用途の組み込み機器向けWindows OSライセンスにはメリットがあるの。もう少し詳しく教えてあげるわね。
特定用途の組み込み機器向けWindows OSライセンスのメリットとは?
皆さん、組み込み機器の中にもWindows OSが広く使われているのはご存じでしょうか? 例えば、銀行のATM端末やコンビニのPOS端末、KIOSK端末、FA機器、医療装置、そして最近よく見掛けるデジタルサイネージ端末などにも使われているのです。こうした機器の多くは、いわゆるx86/x64ベースのコンピュータが用いられていて、身近なPCやサーバ製品などと同じく、Windows OSが大活躍しています。
では、なぜ一般PCユーザー向けOSライセンスとは別に、「特定用途の組み込み機器向けOSライセンス(以下、Embedded OEMライセンス)」が存在するのでしょうか。
一般PCユーザー向けには2〜3年のサイクルで最新のWindows OSがリリースされますが、長期安定供給・安定稼働が求められる組み込み機器の世界では、ライフサイクルの短い一般PCユーザー向けOSライセンスは不向きです。わずか数年たらずで、自社製品に導入しているOSが入手・利用できなくなるようでは困ってしまいますよね。
そこで、マイクロソフトでは、Embedded OEMライセンスを用意しているのです(表1)。
表1 ライセンス形態の比較(リテール、DSP、Embedded)※クリックで拡大 Embedded OEMライセンスの利点は何といっても「長期供給」。XP Professionalの場合、32bit版であれば2016年12月31日、64bit版であれば2020年4月25日までライセンスの入手が可能
Embedded OEMライセンスであれば、OSのリリースから15年間、一般PCユーザー向けに販売が終了してしまった古いOSでも新たにライセンスを購入することが可能で、それを製品にプリインストールし、出荷・供給できるのです。ケイタさんの会社のように、XPを採用した製品でも、新たに「Windows XP Professional for Embedded Systems」のライセンスを購入できるので追加注文・生産にも容易に対応できます。
他にもEmbedded OEMライセンスにするメリットがあります。例えば、コンピュータのプロパティ画面に保守サポート先の情報などを表示させたり、システムの立ち上げ時に特定のアプリケーションを自動で起動させたりといった組み込み機器固有のカスタマイズが容易にできます。ちなみに、OSの導入方法については一般PCユーザー向けに販売されているOSパッケージとは異なり、「OPK(OEM Preinstallation Kit)」というツールで作成されたマスターイメージから展開することになります。
また、組み込み機器の種類によっては、数千〜数万台のボリュームで出荷するケースもあると思いますが、さすがに1台1台OSのインストール時にアクティベーション作業をするわけにはいきませんよね。そこでEmbedded OEMライセンスでは、こうしたある一定のボリュームの機器を対象に、アクティベーション作業を簡略化できる「OEM Activation」も用意されています。
ただし、Embedded OEMライセンスは、特定の機能を実現する組み込み機器としての利用でなければ適用されません。一般的な事務処理(例えば、ExcelやWord、PowerPointといった一般的なアプリで資料を作成する)などを行うコンピュータに利用することはできません。
なるほど〜。うちの製品のような組み込み機器であれば、いろいろとメリットがありそうですね。
そう。しかも今なら特別価格でEmbedded OEMライセンスを購入できる「スイッチ! to “Windows Embedded”キャンペーン」が実施中なの。
それと、OSの導入時に便利なOPKを使ったマスターディスクの作成方法に関する技術資料も“無料ダウンロード”できるのよ!
よーしっ!!
うちの製品もWindows Embeddedにスイッチだ!
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提供:東京エレクトロン デバイス株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2012年4月13日