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コーヒーでも飲みながら楽しくモノづくり――FabCafe渋谷のFabCafe。iModelaも実験的に設置

東京・渋谷にコーヒーや軽食と一緒に、レーザーカッターでモノづくりを楽しめるCafeがオープンする。カッティングマシンやRP切削機も実験的に導入する。

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 制作代理店のロフトワークはFabCafe LLP(有限責任事業組合)を立ち上げ、2012年3月7日に、デジタルモノづくりカフェ「FabCafe」を東京都渋谷区道玄坂にオープンする。店舗内に設置したデジタル加工機は、来店者が利用できる。インターネット回線や電源など、製作に必要な環境も無料で開放する。定休日は日曜、祝日、年末年始。

「エンジニアのスキルと、クリエイティブなことが好きな人が出会えたら、きっと面白いものが生まれることを信じています」(ロフトワーク パブリック・リレーションズ 中田一会氏)。


左はFabCafeドリンクの「マシュマロラテ」、右はカフェ中央に置かれるレーザーカッター

 加工機は、レーザーカッター「UNIVERSAL LASER SYSTEMS VLS6.60」がメインとなる。持ち込めるデータは、「Adobe Illustrator」のaiファイル。

 FabCafeが提供するサービスは、以下。

  • Fab Fun:30分の「Fabチケット」(加工機の利用チケット)、レーザーカッターを最大3人で共有+ラテ(カフェラテ):2000円
  • Fab Geek:30分の「Fabチケット」、レーザーカッター占有+ラテ:5000円
  • FabCafe オリジナルシリーズ:雑貨などをカスタム装飾できるシリーズ。ノートは500円から、iPhoneカバーは3900円から。

 ほか、カフェらしくランチなどの軽食も提供する。

 ローランド ディー.ジー.社の協力により、実験的に以下のようなカッティングマシンおよびRP切削加工機も設置する。

カッティングマシン

  • CAMM-1 SERVO GX-24
  • STIKA SV-12

RP切削機

  • iModela

 上記についてはあくまで実験的な設置であり、時間単位レンタルおよびサポートの対象外となる。使用希望者は、来店前に店舗スタッフに連絡し相談する必要があるとのこと(シートなど備品も必要)。

「ほか、直近で加工機を導入する予定はまだないのですが、ローランド ディー.ジー.社のように、自社のハイテク加工機をクリエイターに使用してもらいたいという協賛・協力メーカーは随時募集しています」(中田氏)。

 FabCafeでは同年3月9日の19時より、ワークショップイベント「RGSS(Rhino & Grasshopper Study Session)」も開催する。今回は、日本学術振興会特別研究員の藤木淳氏がゲスト。

 FabCafeのトータルプロデュースは、トリプルセブン・インタラクティブ 代表取締役 福田敏也氏、ロフトワーク 代表取締役社長 諏訪光洋氏、同社 代表取締役 林千晶氏が担当。空間デザインは建築家の成瀬友梨氏、猪熊純氏が担当する。グラフィックデザインおよびプロダクトデザインは、大場なな氏、大野友資氏などが参加する。

 店舗以外にもオンライン版「FabCafe.com」も公開。こちらでは、ユーザー同士で作品(製品)を紹介し合うことができる。イベント情報発信や、オンラインショッピングの仕組みも備える。

 FabCafeで得た利益の一部は、Fab(後述)の活動を支える組織/団体に寄付するとのことだ。

Fabとは何か

 店舗名にある「Fab」には、大量生産やマーケットの論理に制約されない「FABrication(モノづくり)」と「FABulous(愉快な、素晴らしい)」の2つの意味が込められている。

 Fabはもともと、マサチューセッツ工科大学のニール・ガーシェンフェルド教授が著書『ものづくり革命 パーソナルファブリケーションの夜明け』で提唱したコンセプト。「FabLab(ファブラボ)」として、ハイテク工作機械を備えた一般市民のためのオープンな工房ネットワークが形成されており、既に20カ国以上で同様の取り組みが行われている。日本の活動としては、神奈川県鎌倉市を拠点とする「FabLab鎌倉」がある。

 FabCafe運営には慶應義塾大学 環境情報学部 准教授でFabLab Japan創立者の田中浩也氏もサポーターとして参加している。

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