大容量二次電池用充電器のカスタム開発が不要に、TDKラムダが標準品を発売:TDKラムダ EVAシリーズ
電気自動車、プラグインハイブリッド車、非常用電源など、容量がkWh単位の二次電池を持つ機器の生産量が飛躍的に増えている。TDKラムダは、これらの機器に最適な充電器の標準品を開発した。
TDKラムダは2012年2月、大容量二次電池用充電器の標準品「EVAシリーズ」を発表した。主に、電気自動車やプラグインハイブリッド車、非常用電源などに搭載されている、容量がkWh単位になるリチウムイオン電池を充電する用途に向ける。同社によれば、「これまで大容量二次電池の充電器といえば、カスタム品を開発するか、AC-DC変換を行える高価な標準電源を用いるしかなかった。EVAシリーズは、大容量二次電池の充電器向けに開発された初めての標準品となるだろう」と述べている。
第1弾製品となるのは、最大出力が2.4kWの「EVA2400」である。EVA2400には、定格の出力電圧と出力電流が異なる3機種がある。「EVA150-16」は150V/16A、「EVA300-8」は300V/8A、「EVA600-4」は600V/4Aまでの出力が可能。2012年4月末からEVA300-8の受注を開始する。他の2機種もその後順次受注を始める予定だ。価格はいずれも32万円である。
3機種共通の仕様は以下の通り。電圧設定範囲は定格電圧の10%〜100%、電流設定範囲は0A〜定格電流まで。変換効率は最高で90%弱。入力電圧は単相のAC170〜265Vに対応する。最大4台までのマスター‐スレーブ運転をはじめとした並列運転が可能だ。標準装備のRS485インタフェースを介した外部からの通信制御も行える。外形寸法は横250×縦445×高さ86mmで、機器への組み込みに最適な19インチラックの2Uサイズとなっている。
関連記事
- AC-DC電源の設計ポイント
スイッチング方式のAC-DC電源は、旧来型のリニア方式では得られない高い効率を実現するものとして急速に普及した。しかし、スイッチング方式は、従来は存在しなかった新たな課題ももたらした。結果として、AC-DC電源の設計は、従来よりもはるかに複雑なものとなった。では、その課題とはどのようなもので、それを解決するためには、どのような工夫を盛り込む必要があるのだろうか。機能安全対応の走行モーター用マイコン、外付けのレゾルバ用変換器ICが不要に - AC-DC電源設計の秘訣
電源の設計において、機能/動作の仕様を満たすようにするのは当然のことである。しかし、満たすべき事柄はそれだけではない。EMC性能や安全性などに関する国際規格に従いつつ、さらに高効率化、小型化の要求にも応えなければならない。本稿では、電源の基本性能を犠牲にすることなく、そうした要求に応える方法を紹介する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.