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ハイパーモデル分割タイム始まるよモノづくり素人だけど2代目社長の製品開発(2)(3/4 ページ)

有名クリエイターが作った初音ミクの3次元CGを製造向きかつ精細なデータに仕上げていく。そして、ひたすらモデルを分割、分割、分割だ。

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 本題に戻します。

 われわれはポリゴンデータのまま形状編集していきます。が、その際ただ単純に編集するのではなく、「意匠性」と「物性」と「生産性」、それぞれが破綻しないように注意しながら最適解を導き出していきます。

 具体的には言えば、以下のような作業です。

  • 外装意匠(デザイン)には極力抵触しないことを条件に、2次加工(塗装や組立)の合理的な実施を可能とする、パーツ分割
  • 物性を保ちつつ、スケール感などの意匠性や模型としての演出を補完することを目的に、肉厚の調整やボス/リブを設定・配置

再入稿された上半身の構成

そでと手首もこんな関係性だったので

そで口の肉厚を調整しつつ、接合用のボスを追加

ジャーン!

再入稿された下半身のモデリングデータ。Tripshots氏入魂のシェイプ! ところがスライスして確認してみると……

やっぱり……。ボディースーツの裾とスカート上面/スカート内面と腿上面/左右の腿同士、それぞれのモデルのサーフェスが複雑に交錯しています

ボディースーツの肉厚を調整し/スカート上面と干渉する内面の肉を削ぎ新たに面貼り/さらにスカートの肉厚を均一化しつつ……

干渉する腿上面の肉を削ぎながら/左右の腿を独立したモデルに

Tripshots氏から追加されたパターンデータ

さらに左右ブーツの外側にはTripshots氏からの追加意匠を凸モールドにて追加……フゥ

 基本的には入稿データのグループを踏襲しつつも、金型彫刻ならびに成形性や二次加工を考慮しながらグループをさらにパーツ分割、そしてそれぞれのパーツに勘合用のボスやピンも追加していきます。ただ、このとき既に成形時の抜き方向(つまりパーティングラインの走り方)や金型のスライド有無など、実体化に向けた制約事項を同時並行で検証しながらの作業となります。

 また一方では、ソール裏のパターンモールドや左右ブーツの外側のデザインや、の追加再現もしていきます。こういうのはデジタルならではの造形表現ですね。


再入稿されたブーツ。ソール裏のモールドはさすがにちょっと残念な感じだったのでTripshots氏に再修正をお願いしたら……)

ありゃ? 思いっきりデザインされたAIデータが送られて来た。後はヨロシクってこと? ……やってやるって!

ジャーン! デジタル造形の強みですね。

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