ウェザーニューズ、花粉観測機「ポールンロボ」を全国に設置:花粉対策の救世主となるか?
「花粉プロジェクト」を推進し、全国各地に花粉観測機「ポールンロボ」を展開するウェザーニューズ。今シーズンは東北地域の設置数を倍増し、全国の設置希望者1000人とともに設置作業を進め、間もなく最終段階を迎えると発表した。
――間もなく花粉の本格シーズンがやって来る。既に鼻がムズムズ、目がかゆいといった症状が出始めている人もいるのではないだろうか。
そんなつらい花粉症に立ち向かうプロジェクト「花粉プロジェクト」を、民間気象情報会社ウェザーニューズが実施している。同プロジェクトは2005年からスタートし、今年(2012年)で8年目を迎える。
同社が独自開発した花粉観測機「ポールンロボ」(ポールン:Pollenとは“花粉”を意味する)を全国の花粉症に悩む方の個人宅や学校・企業・病院などに設置してもらい、その地域に飛散する花粉量を観測。さらに同社が提供するサービスの利用者から寄せられてくる花粉症の症状などを調査・分析することで、花粉予報や花粉症対策といったサービスに役立てる取り組みだ。
今シーズンの花粉の飛散数は、昨シーズンに比べて3割程度と予想されているものの、東北・関東・東海・四国では例年並みの飛散数が予想されており、十分な対策が必要だという。同プロジェクトではこれを受け、花粉飛散と症状の分析のさらなる強化を目的に、東日本大震災で被災した東北地域におけるポールンロボの設置数を倍増し、全国各地の設置希望者1000人とともに設置作業を推進。間もなく最終段階を迎えるという(2012年1月25日発表)。
全国各地にポールンロボを設置することで花粉観測網構築し、飛散予報や対策に活用するのが同プロジェクトの狙いだ。花粉飛散数や気温、湿度、気圧などを観測し、1分間に1回の周期でインターネット回線を通じ、同社に自動的に送信され(ブロードバンドのインターネット回線が既にあることが設置条件の1つ)、花粉が飛散しやすい日の判断や飛散量と症状との関係の分析などに生かされる。
さらに、こうして得られた情報を同社が展開するスマートフォン向けアプリやWebサイト、携帯サイトに実況値としてリアルタイムに公開する他、特定地域を対象にした花粉予報などにも活用するという。以下に、ポールンロボによる観測データを確認できるWebサイトのURLを示す(表1)。PC環境からであれば、インターネットサイト「花粉Ch.」で自宅周辺に設置されているポールンロボの情報を参考にしてみるといいだろう。グラフを用い1日の状況が一目で分かるよう工夫されている。
インターネットサイト「花粉Ch.」 | http://weathernews.jp/pollen/ |
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携帯サイト | http://wni.jp/ |
スマートフォン向けWebサイト | http://weathernews.jp/s/(近日オープン予定) |
表1 ポールンロボによる観測データを確認できるWebサイト |
このポールンロボの形状は、人間の顔(目、鼻、口を模したデザインを採用)に似せた直径約15cmの球体である。初代からバージョンアップを重ねこのような形状になったそうだ。口に当たるすき間部分から空気を取り入れる構造で、人間とほぼ同じ呼吸量で空気を吸引できるよう設計されている。また、目に当たる部分に組み込まれたライトが花粉の飛散数と連動し、白・青・黄・赤・紫の5段階の色で知らせてくれる機能も備える。なお、今シーズンは花粉の他、火山灰や黄砂などのダストについても計測し、情報を発信していくという。
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