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人に優しい「スマートビル」実現へ――タスク&アンビエント照明システムの実証実験を開始無線技術と電源制御技術を応用

村田製作所は、戸田建設、山田照明と共同で、「タスク&アンビエント照明システム」の節電・省エネ効果の実証実験を開始。適切な室内環境をより少ないエネルギーで実現できる技術の開発と確立を目指す。

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 村田製作所は2011年1月17日、戸田建設、山田照明と共同で、「タスク&アンビエント照明システム」の節電・省エネ効果の実証実験を1月4日より開始したことを発表した。現在、戸田建設 本社ビル「環境展示コーナー」および技術研究所「室内環境比較実験室」において実施している。

 タスク&アンビエント照明システムへの取り組みは、昨年(2011年)検証を開始した「自己発電型無線スイッチシステム」(2011年12月5日発表)に続く共同実証実験の第2弾であり、適切な室内環境をより少ないエネルギーで実現できる技術の開発と確立を目的としている。今回のシステムは、村田製作所の無線技術/電源制御技術と、山田照明のライティング技術により実現しているという。

戸田建設本社ビルでタブレット端末にて照明調光を制御技術研究所内の室内環境比較実験室 (左)戸田建設本社ビルでタブレット端末にて照明調光を制御/(右)技術研究所内の室内環境比較実験室

 一般に、タスク&アンビエント照明は、周囲の照度と作業面の照度の関連を考慮して照明設計する必要があるため、省エネ効果を得るためには、BEMS(Building and Energy Management System)などの中央監視装置による一括コントロールが必要となる。しかし、多くのタスク照明はコンセント型のスタンドライトであり、一括コントロールが難しいという問題があった。

 この問題に対し、村田製作所は低消費電力の無線通信規格である「ZigBee」を採用し、照明をネットワークで接続することで解決。これに伴い、無線制御でLED照明の調光やON/OFFを実現(LEDを駆動する電源回路が無線回路と連携動作)しなければならないが、これも無線モジュールと直結可能な電源モジュールを開発することで解決し、シームレスな照明システムの実現を可能にした。

 実証実験では、ZigBeeネットワークに接続された照明器具群をゲートウェイ装置を介して、PCやタブレット端末からコントロールする試験や、ZigBeeと人感センサーを組み合わせたセンサーノードを活用する実験なども予定している。

タスク&アンビエント照明で調光制御
タスク&アンビエント照明で調光制御

 ちなみに、村田製作所は、ZigBeeモジュールの販売を2012年春ごろに、これに直結可能な電源モジュールの販売を2012年夏ごろに予定している。また、4月には実稼働オフィス(村田製作所 東京支社)の実証実験も計画しているとのことだ。

※補足:タスク&アンビエント照明とは、タスク(task:作業)とアンビエント(ambient:周囲)の2つの照明設備を用意し、作業面の明るさを十分に確保しながら、ベース照明の照度レベルを低く設定することで、無駄なく快適な視環境を実現する照明方式のこと。


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