「集める」「つなげる」「共有する」を意識させないホーム・ヘルス・ハブ:ET2011 速報
フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンとディジ インターナショナルはテレヘルス・アプリケーション向け「ホーム・ヘルス・ハブ」のリファレンスプラットフォームを共同開発。ヘルスケア機器と接続し、データを収集、ネットワーク上での健康管理機能を実現する。
フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンとディジ インターナショナルは2011年11月16日、両社が共同開発したテレヘルス(無線通信を用いた遠隔医療)・アプリケーション向け「ホーム・ヘルス・ハブ(以下、HHH)」のリファレンスプラットフォームを発表。同日、パシフィコ横浜で開催中の「組込み総合技術展 Embedded Technology 2011(ET2011)」の会場で記者説明会を開催した。
同製品は、ARM A9ベースのフリースケール・セミコンダクタ製アプリケーションプロセッサ「i.MX283」を搭載。テレヘルスに必要なインタフェースとして、無線LAN(IEEE802.11b/g/n)、Bluetooth/Bluetooth Low Energy、ZigBee/802.15.4、Sub-1 GHz RFなどの無線インタフェースおよび、イーサネット、USB、シリアル、SDIO、I2Cなどの有線インタフェースを備える。また、携帯電話通信網を利用したパニックアラーム用インタフェースのオプションも用意する。
サポートOSは、マイクロソフトの組み込みOS「Windows Embedded Compact 7」およびLinux。同リファレンスボードと、パニックボタン、電源/ケーブル、スタートガイド、BSPなどの各種ソフトウェア/サンプルコードとドキュメントなどをセットにし、「iDigi Telehealth Application Kit」という製品名でディジ インターナショナルが販売する。販売価格は6万5800円(税別)。同日より受注を開始し、2012年1月から出荷する見込みだ。
同製品はコンティニュア・ヘルス・アライアンスに準拠しており、家庭内にあるコンティニュア準拠の血圧計、体重体組成計などと無線インタフェースで接続し、これらで測定したデータを安全にネットワーク上のクラウドサービスなどにアップロードすることができる(文字通りハブの役割を担う)。また、データの整理・管理・共有のための仕組みとして、マイクロソフトの健康管理プラットフォーム「HealthVault」との接続をサポートする。
「家庭内のヘルスケア機器とインターネットをつなぐ“ハブ”としてHHHを用いることで、利用者は『集める』『ネットワーク上にアップする(つなげる)』『共有する』ということを意識しなくとも日々のヘルスデータを容易に収集・管理できる。データをクラウド上で管理することで、世界中どこからでも、どのデバイスからでもデータを閲覧できる」(フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン 事業統括本部 インダストリアル・セグメント・マーケティング担当部長 喜須海統雄氏)。
テレヘルス・アプリケーションの構成。ホーム・ヘルス・ハブ(HHH)がハブとなり、家庭内にあるヘルスケア機器やホームコントローラ、カメラなどと接続し、データを収集、ネットワーク上にアップロードする。閲覧は、ブラウザを搭載したPCやスマートフォン/タブレット端末などから可能。さらにこれらデータを医療データを管理するサービスなどと共有させることもできる
また、喜須海氏は「今回発表したHHHの技術を単独の装置としてではなく、ホームルータやIP電話などの通信機器、テレビやSTBなどの情報家電、ホームコントローラなどの家庭内設備に組み込む(展開する)ことも視野に入れている」と、HHH技術の応用についての展望も語った。
記者会見で披露されたデモ(ET2011の会場でも同様のデモを見ることができる)。血圧計および体重体組成計とHHHとはBluetoothで接続が確立され、HHHが測定データを収集。そのデータを自動的にネットワーク上にアップロードし、HealthVaultで管理・閲覧するという一連の流れを披露した
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