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IBMがデータセンター向け太陽光発電を提供、インドなどの新興国狙うスマートグリッド

新興国にデータセンターを設置する動きが強くなっている。全世界向けのサービスの他、新興国内のIT需要の高まりを受けた動きだ。ただし新興国の電力インフラは必ずしも万全ではない。IBMは太陽光発電を利用したデータセンター向け電源システムの提供を開始した。

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 米IBMは2011年11月3日、太陽光発電システムを用いた電源システムの提供開始を発表した。新興国のデータセンターや工場などに向けて設計した太陽光発電システムである(図1)。

 IBMの電源システムは、太陽光発電システムで発電した電力を高電圧直流給電技術を用いて送電し、サーバ機の水冷システムを稼働させるというもの。発電、送電、水冷機能をパッケージ化して提供する。


図1 India Software Lab屋上に設置した太陽光発電システム インド南部の内陸都市バンガロールに置いたIndia Software Lab(ISL)の屋上に50kWの太陽光発電システムを設置したところ。約560m2(6000平方フィート)の屋上に設置した太陽電池モジュールが50kWの電力を供給する。年間330日、1日当たり5時間稼働するという。出典:米IBM

 IBMの試算によれば、交流電源と空冷システムを組み合わせた従来のシステムと比べて、データセンターの消費電力を約10%低減できる。これは電力を高圧で送ることと、交流直流(AC-DC)変換が不要になるためだ。

 太陽光発電システムと、IBMが開発した電源制御技術を組み合わせており、データセンター以外にも産業用途に適するという。

電力が不足しがちな新興国を狙う

 今回のシステムでは、まず、新興国で急速に立ち上がりつつあるデータセンターを狙う。新興国は電力が不足しがちであり、送配電が不安定な場合がある(関連記事:インドが狙う太陽光発電、ゼロからコスト重視で立ち上げる)。これまでは容量の大きなディーゼル発電機を設置しなければ対応できなかった。

 現在、インド南部の内陸都市バンガロールに置いたIndia Software Lab(ISL)の屋上に今回の太陽光発電システム(50kW)を設置し、ISLが備えるデータセンターの消費電量のうち、20%を供給しているという。ISL内のデータセンターは「IBM Power Systems」サーバを採用しており、25〜30TFLOPSの計算能力を備える。


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