空間メッシュを生成せずに磁場解析が可能:キャトルアイ・サイエンス、国産の磁場解析ソフトを販売
国産CAEである磁場解析ソフトウェア「Qm Ver.3.0」は、空間メッシュ生成や境界条件を設定しなくても磁場解析が可能。計算途中でも、ポスト処理できる。
ソフトウェアベンダーのキャトルアイ・サイエンス(京都府京田辺市)は2011年10月11日、3次元リアルタイム磁場解析ソルバの新製品「Qm Ver.3.0」を販売すると発表した。同製品には標準でプリ・ポスト機能も含んでいる。Qm Ver.3.0は、積分法(磁気モーメント法)という手法を採用し、独自アルゴリズムを組み込んだ。Windows 64bit版にも対応。同製品の開発元はシフトロック(大阪府岸和田市)。出荷開始は2011年10月25日。販売価格は、Light版が21万円(税込。年間レンタル価格)、Professional版は157万5000円(税込。ライセンス購入価格/次年度から保守費用31万5000円)。
独自アルゴリズムを組み込む積分法を採用したことで、磁場解析において、有限要素法など他手法で必要な空間メッシュ生成や、境界条件、ゲージ条件などの複雑な入力は一切せずに非線形解析が可能だという。解析対象の部品位置が変更になっても空間メッシュがねじれるといった心配もないという。磁性体そのものにはメッシングが必要だが、粗いメッシュで高精度な結果が出せると同社。この手法では、3次元空間における磁場の運動や過電流を伴う非線形計算が得意としている。ソルバへの指示は、Windows エクスプローラ風のコントロールパネルで行う。
同製品では3次元プリプロセッサ「P」を採用したことにより、ソルバが計算途中であっても、その進行に応じた結果表示(形状図、ベクトル図、等高線図)が可能だ。計算途中でも条件変更できる。Pには、ポリゴンタイプの非構造3次元モデラーを備える。
Qm Ver.3.0の評価版は、キャトルアイ・サイエンスのWebページからダウンロード可能(以下、関連リンク)。
同製品は、磁気シールド、センサー、リニアモータ、リレースイッチ、磁気ヘッドなどが適応領域。キャトルアイ・サイエンスは初年度で100社へのライセンス販売を予定している。
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