ダッソー・システムズがオンライン型PLMおよびAWSクラウドPLMサービス提供へ:AWSで動作するPLMがやって来る!?
ダッソーのPLMプラットフォームにオンライン版が登場。同時発表のAmazonと共同開発でPLMシステム導入のしきいは下がるか。
ダッソー・システムズは2011年8月4日、同社のPLM製品群のベースプラットフォームであるV6プラットフォームにオンライン版を追加した(フランスでは2011年6月29日に発表済み)。これにより、CATIA、SolidWorks、SIMULIA、DELMIA、ENOVIA、3DVIA、Exaleadといった同社PLM製品群のクラウド環境での利用が可能になる。この発表と併せ、ダッソー・システムズではSaaSシステムインフラを提供するOutscaleへの戦略的投資も発表しており、同社オンライン版サービスではOutscaleが運用支援を行う。
同社ではV6製品群を自社オンライン・ストア「3DStore」で同製品を全世界の市場に展開するとしている。現在、3DStoreで提供しているのは以下の製品/サービス群。
- 3DSWYM:ソーシャルコミュニケーション機能と3次元図面ビュワーによるマーケティング支援製品
- n!fuze(クラウド型SolidWorks)とn!volve(クラウド型CATIA V6)
- 3DVIAやDraftsightなどダッソー・システムズ製品へのアクセス
- パートナーやユーザーが提供するアプリケーション、体験型ソリューションへのアクセス
また同日ダッソー・システムズは、クラウドインフラ「Amazon Web Services(AWS)」を提供するAmazonと共同で同社のV6プラットフォームのAWS上での展開を進めることも発表している。
V6プラットフォームは、既に製品マーケティング支援向けにWebベースの3次元図面閲覧プラットフォーム3DSWYMを独自に手掛けているが、今回、Amazonと協業することで事業規模を問わず開発・利用できるPLMインフラの開発に着手することになる。
ダッソー・システムズでは、AWSインフラを活用して、製品のカスタマイズ設定やマッシュアップ手法による柔軟な製品機能拡張、アプリケーション開発が容易に行える「シンプルな仕組み」を目指すとしている。
また、Amazonの提供するオンラインサーバ/ストレージだけでなく、物理解析などに適した構成を持つAmazon HPCの活用も視野に入れており、計算流体力学(CFD)、構造やシステム・オブ・システムズ(SoS)といった領域のシミュレーションで求められる密結合並行処理などの超高速演算処理能力を提供するために活用するという。
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