栗本鐵工所、保守サービスに富士通のM2Mクラウドを採用:付加価値を高める保守サービス提供へ
栗本鐵工所が自社製品の遠隔保守サービスの提供を開始。富士通が提供するM2Mサービスインフラを活用している。
栗本鐵工所は、自社の顧客向けに富士通の「FENICSII M2Mサービス」を利用した「クリモト遠隔保守サービス」を2011年8月から開始した(2011年8月2日富士通発表)。同サービスを利用することで、同社製品を海外などの遠方で利用している場合でも、故障状況などをリモートで栗本鐵工所が直接把握し、迅速な保守サポートを受けられる。
栗本鐵工所では、自社の鍛造機械プレス機(「C2Fシリーズ」)にこの仕組みを取り込み、稼働状況を監視、遠隔から保守を行うためのサービス基盤を準備、2011年8月からクリモト遠隔保守サービスとして日本および、中国、インドでビジネス展開を進める。
従来、遠方の機器にトラブルが発生した場合、現地に技術者を派遣してから原因調査や部品取り寄せなどの手続きが必要だったため、長期間の設備停止が発生するなど、生産量への影響が大きな問題だった。同サービスを契約することで、設備停止期間の最小化や技術者呼び寄せに必要なコストの削減が期待できるため、製品の付加価値向上に結び付くサービスといえる。
富士通が提供するFENICSII M2Mサービスは、M2Mの仕組みを利用して機器の稼働状況を収集、遠隔保守などに利用できるサービス。富士通では、自社が持つ各種ソリューションを複合的に活用し、顧客企業におけるサービス展開などでの付加価値提供を目指しており、今回の発表はこうした取り組みの1つといえる。国内では加工機メーカーのアマダがグローバルで同製品を利用したサービスを展開している。
機器に通信端末を組み込み、モバイル端末経由でデータを収集、富士通が持つM2Mクラウド基盤に情報を蓄積する。栗本鐵工所が持つ既存の保守サービス用システムとM2Mクラウド基盤を接続して管理する仕組みだ。
富士通は、今回のクリモト遠隔保守サービスサポートインフラの構築に際し、機械に組み込む通信端末、モバイルネットワーク、クラウド環境を含む包括的なインフラをFENICSII M2Mサービスで提供する。富士通のプレスリリースによると、栗本鐵工所では、FENICSII M2Mサービスを利用したことで3カ月という短期間でシステム構築・検証を完了し、迅速なサービスインに結び付けたとしている。
今後、栗本鐵工所では同サービスの対象製品や地域の拡大を目指すとしている。
なお、栗本鐵工所はクリモト遠隔保守サービスを、2011年8月3〜6日に東京ビッグサイトで開催する「プレス・板金・フォーミング展(MF-Tokyo2011)」に出展する予定。
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