複数次元の公差積み上げはとても疲れるよ:公差解析 実践の基本(1)(2/4 ページ)
公差解析の例題を解くシリーズ。今回は3次元公差解析にチャレンジ。X方向とY方向の2成分で計算してみたけれど、とっても大変!
今日はどこへ?
そしてアズーたちのお休みは明け、月曜日がやってきました。さて今回のミッションは、どこで?
ナオ! 今日はどこに行くの〜?
今日はホノさんのいる才場工業に行くよ! ホノさんから「暑いから心して来るように」って皆に伝言があったぞ。
ホノさんもアズーたちと同じ、惑星管理エンジニアです。おじさんです。
なんだー、ピドーマシナリー(リョウの勤める企業)じゃないのね。こんなときは暑さを感じないOPT星人の姿で出歩けたらいいわねぇ……。なんて思っちゃうわ。
OPT星人は体温コントロールができます。過酷な宇宙環境に適応するために進化した身体能力です。もちろん地球人はそんなこと不可能です。OPTの技術調査員たちは、皆にその正体を感づかれないよう注意することが義務付けられています。とても暑いケド、我慢するしかないのです。
ホント、暑いねぇ。行き先がホノさんの所じゃなくて『ガリクソン君』の工場だったらいいのになぁ〜(うっとり)。
「ガリクソン君」は、ガリガリっとした歯触りが人気のアイス(氷菓子)。メガネにマッシュルームカットのガキ大将がイメージキャラクターなのです。
また、アイス! ……ってツッコミたいところだけど、こうも暑いと賛成だわ。
そんなことを言いながらも、3人組は素直に才場工業へ向かったのでした。
ホノさんとラック設計
今年の夏は、どこもかしこも節電対策。クールビズを採用する企業もぐっと増えていますね。もちろん、才場工業もそんな企業の中の1つです。
お〜、よく来てくれたねぇ。今日はウチの会社もエアコンの設定温度は28度だから覚悟しておくれよ。ワシももう暑くて暑くて……。アツはナツイねぇ〜。なんちてー。
スーパークールビズの一形態? ホノさんは作業着のズボンにランニング、首からタオルというイデタチ。この人もOPT星人ですが、日本生活が長いせいか、すっかり“日本のお父さん”と化しています。OPT技術調査員の鏡!? ただの惰性?
扇風機の風がホノさんの髪の毛をそよそよと揺らしているのを見ると涼しくなるなぁ……。
こらこら! だめでしょ、ホノさんの頭ばっかり見てちゃー。
ホノさんの頭頂部でゆったり揺れ動く頭髪を観察していたいところですが、今日はホノさんのために来たので、そろそろ本題に入りましょう。
私たちにお手伝いをできることって何ですか?
うむ。いまちょっと困っておってねぇ。これまでの問題よりちょっと込み入っとるぞ。ちょっとこっちへ来てくれ。この部品を取り付けるぞ。よいしょっ……。んー、こいつはぶつかっているなぁ。
ホノさんは目の前にあるラックに部品を取り付けようとしているのですが、うまくいかないのだそうです。
あら、組み立てられないみたいね。どうして?(図1)
時々、この製品で、「図面のスペック通りに作っているのに、組み立られないんですけど!」っていう声が上がってくるんだよ。
でもここに置いてある完成品、全部ちゃんと組み立てられてるよ?(図2)
組み立てられないものは取っておいて、あとで別の組み合せで組み立て直しているんだよ。
えー、メンドクサイね、ホノさん!
だからここはちょっと頑張って、再組み立てを減らしたいんだよ。そしたら汗をかいて頑張る時間も減らせるかな? と思ってのぅ。
ホノさん……。優しいのね〜。ホロリ……。
おいココ、こういうタイプの製品、OPT星でも見たことあるぞ。違うか?(図3)
確かに……。よく色んなとこで使うわね。
懐かしい気持ちになったのは、このせいだったのね……(遠い目)。これはチャンス! この問題の解決ができれば、OPT星の問題にも役立つかも〜! でもさ、これを公差解析で解決するの、ちょっと面倒くさいなぁ……。
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