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自分で作った3次元モデルを出力して届けてくれるRPサービスのいま(2/2 ページ)

一般・個人向けの3次元出力サービス「3D print lab」は、金属の造形物も作れる。ほかにも楽しいモノづくり事例が。

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もちろん産業向けのサービスも!

 マテリアライズ社は、ベルギーのルーベン大学(Katholieke Universiteit Leuven)発ベンチャーのメーカーで、最初は工業部品の試作がメインだった。積層造形データ作成ツール「Magics」など、RP(ラピッドプロトタイピング)関連のソフトウェアも幾つか開発してきた。もちろんいまでも工業部品の試作は行っているが、製品の量産や、医療における手術用治具製作、.MGXのようなデザイン製品製作・販売など多岐にわたっている。

 同社の工業部品設計では、位相最適化解析も活用している。その結果から得られる形状は非常に複雑で、それに忠実に作ろうとすれば切削や射出成型では対応できない場合がある。3次元プリンタであれば、そうした形状も自由に造形ができ、設計の際の選択肢が増え、幅が広がることになる。

 手術用の治具のサービスについては、患者の骨や身体のデータをCTスキャンで取り込んだ後、患部の一部をSTL(3次元データ)化し、それに合わせた治具を製作するという流れになっている。造形材料も、医療の法規に準拠した物を同社で独自開発している。個人個人の身体の状態により形状を変えるにもかかわらず、毎月数千人分ほどの手術用治具を製作しなければならないという。そこで、納品する治具を取り違えては一大事だ。その製造では、通常の工業製品とは異なるライン、装置を使う。また、医療用治具専用として、独自に生産管理ソフトウェアも開発し運用している。造形品にマーカーを刻印し、検品時にそのマーカーをスキャンして生産管理システムに認識させ、管理させる。そのソフトウェアは、もちろん医療以外の分野でも利用でき、社外に対しても販売している。

写真
写真左から、マテリアライズ日本法人であるマテリアライズジャパン マーケティングマネージャ 鈴木浩氏、同社 代表取締役社長 ヨウ・アンセウ(Jo Anseeuw)氏、同社 RP&Mグループマネージャ 小林貞人氏:アンセウ氏はルーベン大出身。同氏は日本語もしゃべれる

3次元モノづくり面白動画

 マテリアライズ社は、同社の技術を使いさまざまなことにチャレンジしている。そのうちの一部が動画化されているので、以下で紹介する。

 まず、マテリアライズ社の技術でツタンカーメンのミイラのレプリカを作成した様子を描いた動画。少々、グロテスクかもしれない。ミイラをCTスキャンした後にSTL化し、3次元プリンタで出力している(ニューヨークで開催した博覧会展示用)。この技術が、上記で紹介した同社のバイオメディカル R&Dでも大活躍している。

 以下は、フリスビー「the FrisMe」の紹介。価格は215ドルから。「Fris」「Me」なだけに、自分用にカスタムできる。

 最後に、Pedro Figueiredo氏、Bruna Milam氏がデザインしたという玩具「Oh Dog!」。エリザベスカラーらしきものを付けたイヌがひたすらもがいている? ちょっとシュール……。もともとは大学の卒業制作だったが、いまはビジネス化に向けて動いているらしい。

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