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ウインドリバー、64ビット対応リアルタイムOS「VxWorks 6.9」説明会を開催時代のニーズに先んじて進化

ウインドリバーは、3月に発表(現在出荷済み)した組み込み機器向けリアルタイムOSの最新版「Wind River VxWorks Platforms 6.9」に関する記者説明会を開催した。

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 2011年5月25日、ウインドリバーは3月に発表(現在出荷済み)した組み込み機器向けリアルタイムOSの最新版「Wind River VxWorks Platforms 6.9(以下、VxWorks 6.9)」に関する記者説明会を開催した。

 今回、32ビットおよび64ビット対応の商用リアルタイムOSとしてリリースされたVxWorks 6.9は、マルチコア処理(SMPおよびAMP構成ともに)の性能向上やARM Cortex-A9プロセッサのサポートによるマルチコアSMPとARM Thumb-2命令セットの提供、ネットワークセキュリティの強化などがなされている。また、新たにIntel最適化C++コンパイラとIPP(Intel Performance Primitives)ライブラリがIntelアーキテクチャ向けに提供される(VxWorks 6.9の詳細資料[PDF])。

ウインドリバー 営業技術本部 本部長 志方公一氏
画像1 ウインドリバー 営業技術本部 本部長 志方公一氏

 VxWorks 6.9は、小フットプリントの32ビット対応機器はもちろんのこと、64ビット対応により、これまで以上に高い性能が求められる機器に採用・導入可能となった。64ビットアプリケーションの実行、アドレッシング、ネットワークスタック、ファイルシステムが利用可能となり、かつ4Gバイト以上の物理メモリ(RAM)をサポートするため、「例えば、取り扱うデータ量が増大傾向にある通信ネットワークインフラ機器やクラウドコンピューティング向けストレージ、マルチファンクションプリンタ(MFP)、高精細画像を扱う医療/産業機器、航空宇宙・防衛システムなどのアプリケーションでの活用が見込まれる」(同社 営業技術本部 本部長 志方公一氏)という。

 また、ネットワークセキュリティの強化としては、セキュアハッシュ関数SHA-256のサポートやVPNC認証、IKE/IPsecの強化、MACsec(IEEE 802.1AE)のサポートなどがなされている。コンパイラとしては、従来の「Wind River Diab Compiler for VxWorks」「Wind River GNU Compiler」とともに、前述の通りIntel最適化C++コンパイラとIPPライブラリが追加されている。

 今回のVxWorksの64ビット対応を含め、同社の製品・サービスの拡充への取り組みは、(1)より高い性能要求やBOM(Bill of Materials)からTCO(Total Cost of Ownership)へのシフト、省エネルギー対応といったメーカーが市場から受けるプレッシャーの変化、(2)組み込み分野でも広がりつつあるマルチコア/メニーコア、これに伴うマルチOSシステムおよび仮想化ソリューションへの期待の高まりといったテクノロジーの変化、(3)組み込み機器のネットワーク対応・普及、(4)システムの安全性/セキュリティ認証の必要性、といった近年の組み込み分野の現状とトレンドに応じたものだという。

ウインドリバー過去1年間の取り組み
図1 ウインドリバー過去1年間の取り組み(発表資料より)

 システムの複雑化とネットワーク対応が進み、組み込み機器の高速処理と情報セキュリティに対する要求はますます高まっていくだろう。志方氏は、「組み込み分野でも、アプリケーションのデータ処理能力、メモリやデータの絶対量が飛躍的に増加し、かつ高い堅牢性が求められている」とし、「VxWorksは時代のニーズに先んじて進化し続ける」と力強く語った。

VxWorksの歴史
図2 VxWorksの歴史(発表資料より)

 なお、2011年6月2日に同社が開催する設計者/技術者向けセミナー「Wind River Technical Forum 2011」の中で、今回紹介したVxWorksに関するセッションも多数用意されている。

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