音源をリアルタイムに“可視化”する音源探査システム:日本NI、小野測器、イー・アイ・ソルによる共同開発
日本ナショナルインスツルメンツは小野測器とイー・アイ・ソルと共同で「音響可視化・音源探査システム」を開発したことを発表した。同システムは、音源をリアルタイムに可視化する装置で、主に騒音源の発生位置を特定するために開発されたものだという。
2011年5月20日、日本ナショナルインスツルメンツは小野測器とイー・アイ・ソルと共同で「音響可視化・音源探査システム」を開発したことを発表した。同システムは、音源をリアルタイムに可視化する装置で、主に騒音源の発生位置を特定するために開発されたものだという。
通常の騒音計では測定点の音の大きさなどが分かるだけで、音の発生場所や分布を特定・計測することが難しく、また従来の可視化システムでは一度マイクデータを保存してからのオフライン処理か、最大でも1〜5fpsの可視化処理が限界であったため、移動する音・変化する音・突発音を追従し、取りこぼすことなく検出することが困難だったという。
今回3社が共同開発した同システムでは、従来の5〜25倍に当たる25fpsの可視化処理(ビームフォーミング方式を採用)を実現。音(移動・変化する音、突発音などを含め)を取りこぼしなく捉え・追従し、音の発生源の特定や音の分布などをリアルタイムに可視化できるという。高速処理を実現したことで、今まで捉えることができなかった音を可視化することが可能となり、異音・騒音の対策・解析・判定などを今までと違う角度で行うことが可能となる。例えば、自動車や工業大型機器、家電製品やOA機器などの幅広い分野において、騒音や振動音などのノイズ発生源を視覚的に特定・表示させることで、騒音の低減に加え、回転機器や駆動機器の信頼性の向上などに貢献できるとしている。
アプリケーションはナショナルインスツルメンツのグラフィカルシステム開発ソフトウェア「LabVIEW」が用いられ、「LabVIEW FPGA」で組み込み処理を行うことで高速化を実現している。同システムの標準機能に加え、他信号の同期収録、外部トリガ入力、モータ制御の追加といったユーザー要望に合わせた機能追加・カスタマイズが可能だという。
なお、同システムは小野測器とナショナルインスツルメンツ認定アライアンスパートナーであるイー・アイ・ソルが連携し、両社から提供されるという。
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