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世界最大の地熱発電設備、富士電機がニュージーランドに設置スマートグリッド

地熱発電は二酸化炭素を排出せず、太陽光や風力と違って、天候や気象条件に左右されない。ニュージーランドは原子力発電所を建設しておらず、再生可能エネルギーの導入に熱心であり、地熱発電の規模も大きい。

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 富士電機ホールディングスは、2011年5月17日、1基の発電能力としては世界最大の出力(140MW)となる地熱発電プラントをニュージーランドに納入し、運転を開始したと発表した(図1)。これはニュージーランドの総電力需要の3%に達する規模だ。同社は1988年からニュージーランドに3件の地熱発電設備を納入している。

 同社は2008年3月に住友商事と共同で、ニュージーランド国有電力会社であるMighty River Powerから4億5000万ニュージーランドドルで地熱発電プラントを受注している。蒸気タービンや発電機、プラント制御監視装置などの部材を提供したほか、プラント自体の設計や据え付け工事、試運転など発電所稼働に至る工程を一括して請け負った。

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図1 ナ・アワ・プルア地熱発電所内の地熱発電プラント

 Mighty River Powerは8つの水力発電所と4つの地熱発電所などを運営する発電企業であり、同国の電力の2割弱を発電しているという。

再生可能エネルギーの比率が7割を超える

 今回、富士電機ホールディングスが地熱発電プラントを設置したのはニュージーランド北島ワイカト地方に位置するナ・アワ・プルア(Nga Awa Purua)地熱発電所である。ニュージーランドは日本と同様プレート境界に位置し、火山国である。ナ・アワ・プルア地熱発電所はタウポ火山帯に立地する。

 ニュージーランドは政策として再生可能エネルギーに力を入れており、総発電量の57%を水力、11%を地熱、4.9%を風力で賄っている。再生可能エネルギーが総発電量に占める割合は実に72.5%にも及ぶ(参考資料:ニュージーランド政府によるNew Zealand Energy Data File 2010)。ナ・アワ・プルア地熱発電所内の地熱発電プラントが稼働したことで、地熱が占める比率は14%に高まる見込みだ。

 なお、地熱発電の規模が最も大きいのは米国であり、全世界の地熱発電量の約1/3を占める。次いでフィリピン、インドネシア、メキシコ、イタリア、ニュージーランド、アイスランド、日本などで普及が進んでいる。いずれも火山などの地熱資源が豊かな地域だ。

 このうち、総発電量に占める比率が2割を超えるのは、アイスランドとフィリピンである。

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